8月12日


おれ は学者じゃなくて 詩人だから、明日の天気なんて わからないけど、明日 晴れたらいいなって願う お前の心の美しさを 讃える言葉だけは たくさん浮かぶよ。(もし明日 雨が降ったら、その てるてる坊主の首、ちょん切ってイイヨ)
だけどね、おれは いつも先人たちの 圧倒的なセンスに脱帽しちゃって、ついでに頭も 帽子と一緒に外れちゃうぐらい、打ちひしがれるんだ。

「君は透明だ、純粋だ。おまけに、──美少年だ!」
敬愛なる太宰さん、ぼくは いつ 貴方のような文章を書けるように なりますでしょう?

白いレースが たっぷり縫ってある どっかの貴族の寝具みたいな バスタオルぐらい 大きいストール を、眠るエスの身体に掛けた。変な形に骨が突き出た薄い肩と、寝息に合わせて 隆起する胸を 隠すようにストールを掛けた。エスが カーディガンのボタンを掛けるのが嫌で おれ を 蹴っても、暖かい色をした木のスプーンの 木目が気に入らなくて おれを 殴っても、 明日 雨が降っても、おれ さ、てるてる坊主の 首を 切る のは やっぱり やめるよ。 痛そう だし。

眠っている エスは、寝息をたてる エスは、 本当に 天使みたいで おれは、おれは つい 泣いてしまいそうになる

8月12日

8月12日

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-13

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