8月11日


ぼくが むかし 教室から飛ばした 紙ヒコーキは 今もまだ 学校の隣の 廃車処理場の どっかに あんのかな?

ひまわりの種 (煎ってないヤツ)を 埋めた 黄色い缶の中、アイツに ヒロシって名前をつけた けど、おれ がズボラで 忘れっぽくて 命を大事にしないから ヒロシは産まれる前に 死んだ。夏は虫がいろいろ 飛んでいて、おれは 虫くんが 嫌いで、虫くん は ミントが嫌いらしいから、追い払うのに ミントを植えようかしらって 性懲りもなく 考えてる。ヒロシが死んだ黄色い缶 に、ミントの種を蒔いて 今度こそ 甲斐甲斐しくお世話をしたら、ヒロシ は 虫くん退治に一役買ってくれるだろうか。 それともあの缶は もうヒロシの呪いが かかってしまっていて、ミントも 死ぬかもしれない。おれ は そもそも 植物を 大事にお世話できないし しようという心が無いから やらないけど。

カッコいいけど、ちょっと小さい 赤色のハイカットスニーカー おれ 気に入ってるんだけど、履いたらいつも 足の指が窮屈で 痛くなる。し、今日は なんと、小指の皮が剥けていた、でも おれは この靴が好きだから ずっと履き続ける。この靴を おれ以外に褒めてくれたのは グラサンの おじちゃん だけで (嘘。たぶん 他にもいたけど、覚えてない)、その靴、カッコいーじゃん、って、言われて、おれ は たぶん ヘへへッて笑っただけ だけど、今でも覚えてるぐらいだから 確かに嬉しかったんだと思う。今なら もっとイイ感じに 返事できんのにな、とか ちょっと夢を見てる。

8月11日

8月11日

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-11

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