最後の嘘
ごめんね、愛してるよ
真っ白な部屋に真っ白なベッドとシーツ。消毒液臭い俺の唯一生きれる場所。
そして、いつもお見舞いに来てくれる僕の恋人。
ずっと一緒で約束したけど、嫌だけど言わなきゃいけないから……。小山にこれ以上苦しんで欲しくないから。
「小山…別れよ……」
「シゲ、どうして……」
彼は目に涙を浮かべ震えた手で俺の手を握った。
俺はできるだけ冷静であるよう心がけた。もし、同様が伝わってしまえば本当に離れられなくなる。そうしたら、小山は……。
「欲しいものは、もう、手に入れたからいいんだ」
「……」
「だから、別れよ?楽しい時間を、ありがとう…」
小山は小さく頷き俺に優しくキスしてから部屋を去った。
本当に、ごめんね……愛してるよ……慶一郎……
最後の嘘