ゆらゆら この風 この陽だまり

ゆらゆら この風 この陽だまり

短歌十首。

   



   



   



   



   



   



   



 
街角

大勢の命の中で ぽとり

駆け抜けて

消えた幻影





春に

救われる

ここから

生きなければ

いつかは

訪れる

     「おやすみ」





ゆらゆら この風 この陽だまり この暖かみ

お別れを

言いにゆく





なんども春 

なんども春

拾う

いつか

ふり返らない わたし

背中





生きねば、

わたしを、



忘れないから、 忘れられないから、 

          お別れをする。





かけがえがなく ひとを

かけがえがなく わたしを

一度きり

一人きり





かけがえがなく 一度きり

ただ一つ

秘した

生きられなかった あなた





「ゆっくりゆっくり眠ってくれ」

生きゆく わたし 

惜別を 

踏み越えて





「きっとリルはリルでいてくれる」

春の電車

一人

人ごみに

消ゆ





路を知る

路を踏む

まぶしい路

あの春を拾って

      諦めゆく
   



   



   



   



   



   



   



 

ゆらゆら この風 この陽だまり

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ゆらゆら この風 この陽だまり

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-07-18

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