*星空文庫

シュガー

紺 作

銃口がミニスカートの裾に突きつけられる
踵にヒールの靴ずれが痛む
馬鹿な男の顎あたりから
なぜか目が反らせない

真四角の金魚鉢が窒息してる
苔むしたあの赤色の尾ビレは
私の口紅の色に似ている

もしもこの世に希望があるのなら
私はどこから抱きしめればいいの
すぐに消えてしまう優しい陽だまりに
どうやって素直になればいいの


舌打ちはエレベーターが閉まってからしたのに
監視カメラで筒抜けみたい
ベッドの上さえ全国上映
どうでもいいように拡散
消えない自画像

ピアスなんて可愛いものを選んだって
大概どこかに忘れてしまう
あの子の口癖は
聞かないふりしてるだけで
崩れるきっかけを笑ってる

もしもこの世に愛情があるのなら
私はどうやって向き合えばいいの
すぐに悲しくなってしまう夕暮れに
こんなに耳を塞いでしまうのに


毒入りのケーキを
美味しいと言いながら食べる
そんな作り笑顔で
血みどろの世界を美しくしている
私はどこで笑うのだろう



もしもこの世にあなたが笑っていられるのなら
私はどうやって生きたらいいの
側にいて欲しいのに
真っ直ぐに見つめられないなんて

『シュガー』

『シュガー』 紺 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-07-11
Copyrighted

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