*星空文庫

笑えたキセル

音澤 煙管 作

笑えたキセル
  1. その1『 試みる 』
  2. その2『 結果 』

喫煙者が愛煙家になった道のりです。

その1『 試みる 』

趣向品の一つとして煙草を嗜んで居る。今では、嫌煙家を増殖させようと役に立たない政府が躍起になって居る最中だから肩身が狭い。
喫煙者撲滅を謳い、値上げをして購入者を減らそうとして居るが、以前に勤めていた会社の春先になると定期的に行われる健康診断には笑った‥。

それまでは、然程高くない市販の煙草を愛煙して健康診断には毎年必ずレントゲン検査での‥

"精密検査が必要です"‥が付き物だった。

また、当時はタバコ税増額で値上げをする矢先の事でこれから先の経済も見据えて何か方法は無いだろうか?打開策が有ればな‥
と足りない知識と知恵を絞って居た。

ネットもだいぶ普及し、スマホと呼べる物が出始めた頃、毎日のようにネット検索に明け暮れる。

"安上がりなタバコは無いかな?"

探して行くうちに"電子タバコ"と呼ばれる物を見つけたので、モノは試しと買ってみる。

注文してから一週間で届いた。
電子だからアダプターもタバコの箱型ケースでお洒落な感じと身近な道具が少し変わった様子になる事を喜ぶ。
使い始めると、煙もちゃんと出るが、これは偽の物で霧の様なもの。周りには害が無いが、どうも物足りない‥子どもでも使わない玩具に思えてきた。
しかも、煙の代わりのミスト(霧)は別売りのカートリッジが必要だ。

"安上がりでは無いな‥"

カートリッジに染み込ませて在るミストの元はリキッドと言う。
消費して効果が無くなったり、放って置いたりすれば乾燥する。乾燥したカートリッジは使えないように見えるが、メンソール味を嗜んで居たのでハッカを思い出す‥
そうだ、薬局へ行こう!
ハッカの原液なら薬局に売って居る事を知る。

それに合わせて、市販カートリッジを買わなくて済むように自作カートリッジ(リキッドの生成)も検索しながら、グリセリンだの精製水や香料(擬似メンソールのハッカ原液以外も探してみる)も必要だと知り購入し帰宅‥テーブルに買ってきたものを拡げてみるも‥

何だか‥"小学生理科の実験室万歳!"

と言う番組が出来そうなくらいのテーブルの上になる。流石にビーカーフラスコ試験管は無いけど‥アルコールランプはいつも欲しいと思ってる。

調合するも、ハッカ原液が多すぎて禁煙パイポよりタバコが止められそうな味になったり(それはそれで特許や市販化すれば別収入になるとこの時は考えなかった)、
グリセリンの稀釈ミスで駄菓子並みに甘くなったり‥試行錯誤して何とか完成。
話のネタにもなるので会社へ暫く持って行き、禁煙場所である会議室で吸って目立ってドッキリさせたり、少し遊んで居た‥それも二週間経過した頃には、偽物で誤魔化して居た自身の体に禁断症状が出てくる。

この電子タバコも以前の禁煙も、続いても二週間だった‥約半月の間は苦痛の一言、人間には半月と言うタイムリミットで色々と思考が湧いて来る事を知った時でもあった。
本物のタバコが吸えない事によるストレスに気が付く‥やる気も出ない。

ストレス解消が半分の目的の物がストレス生成の代物に成った今、自身が壊れる前に直ぐに市販の物に戻すが、ケチな自分は経済的を追求し続けた‥、
そこでまたネット検索を試みる。

市販のものも代替え期間と称し、フィルターを取り直管で吸ってみた。
これが本物の味と満足するが、キツすぎるので半分も吸い終えると火を消し、携帯用灰皿に仕舞い次回も吸えるようにシケモクにするようになる。
その間もネット検索し探し続けて、フィルターを無くした紙巻きたばこの吸い方を勉強すると、市販のタバコを挿して吸うパイプとキセルを見つける。

これも試しに通販で買い、暫くは‥

市販のタバコ→フィルター取る→キセルに挿す→火を点け吸う→半分吸って火を消しシケモクにする→シケモクにしたものをキセルに挿し吸う‥
この繰り返しで過ごす。

1/2のタバコ消費とだいぶ経済的にはなったが、元の市販のタバコは買わなくてはならないので、こちらは今後の政府の毎度の目論見のタバコ税増額も考慮して再びネット検索に明け暮れる‥。


つづく‥

その2『 結果 』


悪いDNAの姉が居て、大昔に手巻きタバコと言う面倒な物を譲り受けた記憶が蘇る‥、
ネット検索してもすぐに出てきた。
輸入タバコ販売店のページで扱っている事を知る。


タバコの葉をシャグと呼び、それを巻くものをペーパー。
その巻紙を手動でキレイな筒状に巻きつける道具をローリングマシンと言うらしい‥なるほど。名前が気に入ったかどうかは忘れたが、行きつけのタバコ店で聞いてみようと、早速‥
思い立ったらまず行動‥か?
善は急げ‥と言うのか?!


「あるよ!んーと‥これかい?」
タバコ屋のおばちゃんが景気良く棚から出して来た。
意外と流通して居た事に驚くが、本来の意味では初手巻きタバコとなった。
取り敢えず一式買い揃えるが、フィルターを買おうか迷った‥、経済的な考慮を忘れては居なかったのでフィルターは除外した。

ノンフィルターと言うことは‥
市販の両切りタバコと同じだな。
最初のうちはキレイに均等に巻けず四苦八苦してようやくまともな一本を作成!

着火!‥‥スゥーーーッ‥
ゲホゲホッ‥ウワッキツイわこれ。

当然の事で、シャグ(葉)をそのまま火を点けて吸ったんだから、何時ものフィルターを通しての吸い方をしてしまった不注意だった。
第一弾として失敗か成功か‥、
巻き方は何となくマスターしたから、お次は吸い方だな‥よし頑張ろう!

手巻きタバコを11本巻き終えて、
そのうちの1本を右耳に挟み外へ吸いに行く‥試吸の1本である。
フィルター無しの手巻きタバコは、市販の規制品のタバコよりサイズが短い。初めのうちは市販のボックスを流用するが使い切りの代物なので当然長くは保たず潰れる。
専用のタバコケースも必要になり、コンビニで口臭や眠気覚ましに売って居る錠菓を見つけ取り敢えず代用する。

このタバコ入れ代わりのケース、着火用ライター、パイプ代わりのキセル、携帯灰皿‥今のスタイルの形になる。

全てを持ち歩くにはタバコポーチなるものが要る。軽量化して行動したい性分なのでここでも考える。
カマス(キセル入れ)も必要だと買おうとするが、高価な物しか見当たらないので、革のハギレが家にあったのでこいつを利用して自作する。

江戸時代のカマスは、葉っぱ入れとセットで腰紐にぶら下げて携帯して居た事を知り、葉っぱ入れの代わりに携帯灰皿をセットして、ラカンで自作カマスを括り付けベルトに引っ掛け携帯出来るようにした‥これも今のスタイルの原型となる。

手巻きタバコの巻き方〜吸い方と携帯出来る道具まで一式、生活で困らないところまで落ち着いた‥
そして、毎年恒例の健康診断。
何時もと同じように指定センターへ出向き、何時ものように結果を待つ‥。

何時もなら‥
"精密検査が必要です"
となってウッセーなぁーだけど、
もし、"精密検査を受けて下さい"
‥だったらまな板の鯉だろうと想像して、検索通知が届く。

恐る恐る開封‥どれどれ?‥

‥ん?‥おっ?!‥‥

「精密検査が必要です‥が無い!」
あーやっぱり‥検査を受けて下さい‥
なのかなと思いきや‥それも無い。

何だコレ?!?!


まとめると‥
経済的考慮もさる事ながら、
ノンフィルターと言う手巻きタバコにしたおかげで、市販のフィルター付きのタバコに比べ、キツイ手巻きタバコの吸い方がマスター出来るようになり、葉巻のように大半はふかすが、キツ過ぎるから吸い込む量が軽減され、フィルター付きタバコのように思いっきり吸い込むという動作が無くなった為と思われる。

ここで疑問がわく‥
それでは、何のためのフィルターなのか?市販のフィルター付きタバコは伊達??フィルターは偽装?!
未だ理解に苦しむが、キセルと言う手巻きタバコの吸い方で健康改善出来た事は事実だから結果オーライだろう。

因みに、道具以外の消費は‥
シャグ(タバコの葉)だけでも、3.000円/月になるが、市販の物20本/450円で換算、これを1日一箱を消費して居ると13.500円/月‥

1/4の消費に治った事になる。


害があるよ前提のタバコも、吸い方一つで改善されたと言うお話でした。

※これはノンフィルター‥じゃない、
ノンフィクションです。 終わり

『笑えたキセル』

※結果には個人差があります、これは一つの体験談です。

『笑えたキセル』 音澤 煙管 作

喫煙者を減らそうと躍起になってタバコ増税をする政府。政府と喫煙者はまるで北風と太陽のように思え、自らが喫煙者から愛煙家へ変わる様を体験談として書きました。

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更新日
登録日 2018-07-09
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