おじさんとの恋。

筑波にきた変なおじさん。

もう、八年たつのか?愛知県から腰がヘルニアなのに自家用車(ハイエースみたいな)でわたしのアパートまで運転して泊まって行ったおじさん。そのときは57歳か?妻に三人の子供あり。出会い系サイトでメル友になっただけと思っていたが、さいさん、泊まりに言っていいか?と、ねだられた。おじさんとは、最初、モーツァルト、クラシック音楽で意気投合。わたしも、ピアノ教室に通って居た時期でおじさんの影響もあり実家のクラシックCDをアパートまで10枚くらい持ち込み、おじさんに向けて、クラシック音楽のレビューを自作しメールでしたためた。震災後直ぐの桜の時期はクラシックに明け暮れていた。
おじさんが我がアパート迄やってきたのは、秋か?アパート近くの野球場がある公園でおじさんと待ち合わせに。おじさんは数時間かけて、名古屋から首都高乗り越えやってきた。電話でのやり取りはなく、メールだけ。今は通話定額当たり前だが、ガラケー、メールやり取りの時代。ラインもまだなかったんじゃないかな?
おじさんはスケベなおじさんで、裸体写メをさいさん、やはり、要求してきた。メールのやり取りで。わたしも、最初、戸惑いを隠せなかったが、エイヤ!と、胸の写メをセーター捲り上げ、自撮りして送信したのが裸体写メの一枚目だったような?おじさんは自分のおちんちんを、自分の手で愛撫する動画とかちん写メをやたら送ってきた。ちん写メよりもわたしにはおじさんの住んでる地域の海と山の写真が大好きだった。震災後に傷ついていたわたしには、おじさんの海と山の写真はまるで神奈川県の葉山を思わせるように綺麗で清ぎよしかった。未だにおじさんの写真の海はわたしの支えになっている。
おじさんの海の写真で一番印象に残っているのは、海鳥が海の上に浮かんでいる集団。明け方で。水平線が光っているけど空のほとんどはまだ、藍色。海もまだ勿論くらい。
おじさんはわたしに紫色のブランケットとユニクロの帽子とモーツァルトのCDを置いていってくれた。わたしにはセツナイ三点セット。おじさんはもうメールをくれないけど、わたしは、未だにメールを送っている。むしゃくしゃしたり落ち込んで泣きたくなると、メールを送っている。本音を深くわかって素直に言えるのがおじさんだけだった。
おじさんはわたしに沢山の話をしてくれた。社会で生きること、クラシックのはなし、小説のはなし、仏教のはなし、奥さんのはなし、お子さんのはなし、色々色々。
わたしは、まだ、おじさんに対して胸から込み上げるものがあり。
おじさんは元気にしてるかなー?と、おじさんにメールを送ったときに返信がなくても、アドレス不明で転送されてこないでいるのが安心だったりす。

おじさんとの恋。

八年位メル友だったおじさんは元気にしてますか?

おじさんとの恋。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 成人向け
更新日
登録日
2018-06-28

Derivative work
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