潰れたトマト

なんで、世界は私を食べるの?
何で最初から、それは決まっているの?
それは秩序なの?
私は、何を考えればいいの?
何を考えればいいの?

トマトを潰したの

ブチュッ、って

だから、死んだの

トマト殺したの



ごめんは効かないの

だってトマトだから

謝ってみたけれど

当然返事はないの



トマト生きてたの

ちゃんと生きてたの

分かりにくいけど

ちゃんと息してた



もう食べられないの

可哀想なことしたの

トマト笑ってたの

潰されてしまうのに



トマト何の為に生まれたの?

潰される為?

トマト何の為に生まれたの?

捨てられる為?



トマトに意思はないの

だから勝手に創るの



傲慢だね 

傲慢だね

あなたって傲慢だね



傲慢だね

傲慢だね

命もてあそぶなんて



トマト平然としているの

ぐちゃぐちゃなのに

トマト平然としているの

死んでしまったのに



トマト平然としているの

足元の床に散らばって

トマト平然としているの

頭上の私を見上げて



私 きっと恨まれているの

だから懺悔を捧げるの

トマト 許してくれないの

でも それで いいの

潰れたトマト

ああ、食べられちゃった。

潰れたトマト

理不尽な世の中の出来事を、トマトにうっぷん晴らしして貰いました。 トマトさん、申し訳ありません。 詩です。読んで頂けると、嬉しいです。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-20

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