*星空文庫

虐 殺

西園寺リルケゴール 作

虐 殺



   







   




最大多数の最大幸福に絶対的な忠誠を尽くすのは全ての非政治的な人々である。



全てのノンポリには「自由」がない。

彼らは「自由」よりもむしろ「幸福」を求める。

しかし彼らの幸福とは自由から逃避するための嗜癖に過ぎない。

金、カルト、薬、セックス、若しくはヴァーチャリティ。

彼らが選べるのはせいぜいその程度だ。



週末にクラブで踊りながら、放送禁止になった反戦歌のことなど無関心だ。

私は本当の自由を求めることが恐い。

私には「不幸」になる自由もなく、

わたしは国民総幸福量を構成する数値の愚かな欠片でしかない。



自由を手に入れるには権力と戦う勇気が必要だ。

幸福を配られるには政治を忘れるコンドームが必要だ。



自由を求めてある人々は命がけで、

アパシーな我々の日常はガソリンの値上がりのみ思い煩う。



政治的自由を求める誰かの命と引き換えに、

幸福な誰かの非政治的頽廃が横行する。



どんな類の頽廃かって?



“slaughter”ってハッシュタグで盛り上がる程度の頽廃だよ。




   







   

『虐 殺』

リビアの内戦の頃に書いた。

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『虐 殺』 西園寺リルケゴール 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-06-08
Copyrighted

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