雨音 ひとり


傘があろうとなかろうと

閉じこもる ひとりの部屋

雨音と沈む ひとりの部屋



あの日の わたしの声がした

「忘れないで。」と



いつかの 誰かの声がした

「幸せかい?」と


ぺたりと座り込む

雨音


膝を抱える


痛み


わたしが手放せない わたし

いくつ歳を重ねても

いつまでも

子どもにさせる わたし


幸せ を 触ろうとすれば

ひどく
手が汚れていることに気付いて

ただ 眺めることしかできず

歩いてきた街のことを思う




傘があろうとなかろうと

閉じこもる わたしの世界


誰も居ない


誰も入れやしない わたしの世界



雨音 沈んでゆく ひとり

雨音 ひとり

雨音 ひとり

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-06-01

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