紙飛行機

夜の雨に濡れ続けて
もう私は誰とも関わりたくないと
泣きながら目を瞑って
月を隠した
夜明けの空を眺める
缶コーヒー片手に
冷たいアスファルトに座った

誰かと関われば
それだけ孤独は深まる
誰かと関われば
それだけ雨が降り続ける

それでも それでも

風が吹いた
私は紙飛行機を飛ばす

奥歯を噛み締めながら
涙を流したながら
朝陽を浴びながら

朝の空向こうに消えていく
紙飛行機を目で追いかけ続けた

紙飛行機

紙飛行機

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-05-31

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