37.5℃の雨

綺麗に生きていたい

無駄にそう願うのです

中身のない人生だっていい

平凡に見た目を美しく

そうやって生涯を終えたいだけ


誰だって一生懸命誰かのためを思って動いていれば

誰かの人生の物語の中では悪者なのだと

世界中のみんなが笑顔で幸せになる方法なんて

ひとつたりともありはしない

齢7歳にして そう悟ったのを覚えている


生きてるうちに一度だけ

情熱に溢れた 思うがままに愛するような恋愛を

してみたいとは思っても

ああ そんなものわたしには似付かわしくないな

自分らしさなんて わかるわけないけど

わたしが好きじゃないものは似合わないって

そう思うから

わがままだって感じてるよ

もうやめるよ


もうやめた 全部

小さい頃に夢見た 正義のヒーローも

世界征服も

わたしは 今日を平凡に生きるだけで精一杯なの

それでいいでしょう

世界中みんながそうなってしまえば

何もかも無くなって

ある意味平和な世界になれるのに

そうしようとしない 堅物頭ばっかりで困っちゃうわよ


だけど 綺麗で美しいものはそこら中に落ちてる

あなたが笑顔になれるようなものだって きっとある

それを見ようとしない 急かすような窮屈な大人たちは

大っ嫌いだけれど

だけど

綺麗な生き方なんてしなくても

綺麗なもの見てるだけで

それだけでも いいかもしれないな



なんて

37.5℃の雨

37.5℃の雨

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-05-18

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