階段

階段

わかるのです。天空へと続く美しき階段を昇っている。神の光が降り注ぎやすらかで安心に満ちた情景が宇宙の誕生を知らせている。
階段の上の方へと昇って行くのです。この階段の上には、全く人間が見たことのない美しい青空が広がっていた。
宇宙の水平線が広がり星々が何億もの目映い光でダンスしている。
星々が無限の宇宙を照らしだし、清められた夜に羊使いが予言の星占いをして救世主の誕生に祈りを捧げた。
なんという美しく広々とした魂の救済的な安心なのでしょう。
天空には光る玉がぽつんと浮かんでいました。癒しの光で解脱する肉体と精神の漂流。
そして浮遊した。
ああ、私は浮遊します。
辺りは真っ白に輝いて宇宙次元の高エネルギーの暖かさをほんのりと漂わせて、天空に浮かぶ神の玉に向けてふわーっと飛翔していった。
なんて幸せな心で体外へと抜けていくこの脱心的な重さ。
私が存在している不可思議な確率を感じた。なぜ私は生まれてくる意味があったのでしょう。
神の啓示が私の御心を照らしだして新しい時代へと連れて行くのです。
私の飛行能力は美しい放物線を描く天性のラインの微笑。
天空に浮かび上がる神玉と私との光の対話は、清新たる生命への起動スイッチ。
ああ、今まさにこのスイッチを神が押したのです。
あなたは私の内なるスイッチを押して改心を促した。
人間の弱さを克服させる地球上の青空への無限の想像性があった。あなただけが唯一私の弱さをありのままに知り許してくれていた。
ありがとう、あなたは誰よりも私の事を良くわかり救おうとしていた。
この世での私の不可思議な誕生の実存性を、もうすでに知っていたのです。
今変身して生まれ変わり、平安に満ちた静けさの中で過去は美しい宇宙でした。
私の心の内なる可憐な宇宙は私だけのものなのです。
こんなにもエレガントな宇宙は今まさに神が創造したものでした。まさに私の優美な心は愛された宇宙だったのです。
私の心は弱さから強さへと成長し日々人間を克服していく。

そして天女が心の内なる清純な宇宙を私に教えた。
聖なる玉を抱いた優美な天女の高らかな飛翔を見つめた。なんという真実の例えようもない可憐さなのでしょう。
実は神とは一人の清楚な天女だったのです。
なんて偉大な真実なのでしょう。この神の啓示の意味を私はやっと知れたのです。
そして、ついに天女から私は神玉を手渡されたのです。
なんという人間とは美しい心を持っているのでしょう。
ああ、この感覚は人生を超越する御神体の創成。ああ、やっとここまで来れたのです。私はずっとここにたどり着きたかったのです。
これこそ神の完全に調和した調べなのです。
新たな地平を拝み心が移ろい飛翔していく宇宙。
さあ、行きましょう。
今私の心は本当に安らかで平穏なのです。どうぞご安心してください。
私は神玉の心を知れたのですから。
こんなにも不思議な体験はまさに私の心を流れる天の川なのです。
天の川の流れは静かにゆったりとたゆたんでいます。そこを天女は優雅に飛翔して祈祷を唱えている。
自然は全てを知っている。この平安な心で座禅を組み、晴れやかな天女が遊び戯れる春の訪れ。
そう、それはまだ幼き無邪気な私の憧れなのです。
天女は私と共に優雅に飛翔して談笑しあう。平安に耽けてあどけない心は遊び戯れた。天女との夢にうつつを抜かして憧れを抱かせる、乙女の神化はわだつみの化身でした。
人間は生まれてそして日々老いていく。
この人生に新たな期待の清らかな水の流れは潔かった。
乙女のリリシズムは天地を創造する和の一心。一心に祈る神様の青い光のやわらかな安心があった。
この光に私の心のもつれが全てほどけて、宙に泳ぎ戯れ世界の頂上へ向けて期待する白い雲となった。
私は新しく生まれてまた死にゆき、このメタモルファーゼの中に宇宙の高き神玉を知ったのです。

階段

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-05-18

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