*星空文庫

多年草の恋

るえかの雨 作




多年草は絶望を感じてた

また自分だけ春を迎えたことに



多年草が好きになるのは

一年草ばかり


好きになって、一緒に枯れて

そして一緒に命も終わる

いつもそう信じてた


けれど 眼が覚めるとそこには

多年草だけがいた

愛を語り合った一年草はいない


もう恋などしたくない

ずっと独りでいたい



ウソだ。


独りが嫌だから
こんなに寂しいんだ


多年草は泣いた
寂しくて泣いた

恋するのが怖くて泣いた
でも恋したくて泣いた



そしてまた多年草は恋をした

でもきっとまた、この花だって

枯れてしまうんだ

そう思ったけれど

この花は、今まで出会ったことがないほどに

美しくて いい香りがして 強風にもビクともしない


キミには冬を越えられる強さがある?

キミとはずっと一緒に居られるの?



多年草はまた恋をした

本気の恋をした

好きになればなるほど怖くて苦しい恋だった


キミと冬を越したい

どんなに厳しい冬だって耐えてみせる

キミと一緒に 春を感じたい


多年草は静かにその葉を枯らした

『多年草の恋』

『多年草の恋』 るえかの雨 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-05-16
Copyrighted

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