週末には命が3体収穫される模様です。

週末には命が3体収穫される模様です。

   







   





「人間の死とは細胞の全廃状態である。
      そして生者が死者を慈しむのは全廃状態までのゆるやかな過程に他ならない」

                       ― ミシェル・フーコー ―









   







   





命の「収奪」を隠蔽する臓器移植

「いのちのリレー」というプロパガンダ 

医師達が呼称する「収穫」としての命の臓器

脳死を早めるための脳死判断・無呼吸テスト

脳死前段階に臓器保護のために注入される洗浄剤が死を加速

脳死を絶対化するために葬り去られた脳死歯止めの低体温療法

臓器摘出のために治療放棄される脳損傷の命







   







   





医療ビジネス開拓としての臓器移植と遺伝子操作

劣化遺伝子を排除し一億総健常者の優生保護ファシズム

もはや人間は命の単位ではなく臓器部品の市場需要

高価な臓器を部品交換するブルジョア ブルジョアに臓器を謙譲して飢えを凌ぐ貧民

臓器の流通を公的管理することにより市民の生命権を剥奪する国家的ペテン

本来異常死である脳死の加速化を促すために銃社会が片棒担ぎ

脳死判例増加を目論み大脳破損にまで拡大される「死の定義」

命の終焉を法制化することによりICチップの寿命のごとく規定化される命の機械化

生の過剰謳歌により死者の尊厳を無意味化してゆく価値一元化社会の障害排除のサディズム








   







   





コンビニで容易に手に入る印鑑捺印の必要さえないチラシ並ドナーカード

移植手術の感動秘話をドラマ化しても摘出患者の無念の死を隠蔽する白痴メディア

児童虐待に乗じるように幼児の臓器摘出の法案化を叫ぶ日本「組織票」医師会

コーディネーターの名のもとに密室非公開でドナー家族の臓器提供を誘導する医療「総会屋」

「死体」であるはずの「脳死体」に麻酔を打つ剥奪者 

メスの切開に全身でもって痛みの叫びを訴える命ある「死亡判定体」

臓器移植に良心の呵責を感じる患者 彼らの苦痛の悶絶状態時に移植を甘言で薦める計画的誘導

親族の命を救いたい一念での臓器移植の禁止をあくまで死守する国家の「臓器配給制度」

移植者・提供者の交流を原則的に阻もうとする権力 「収奪」隠蔽への飽くなき操作














   







   





たかが命じゃないか・・・・・・・・・・・

たかが命じゃないか・・・・・・・・・・・

たかが命じゃないか・・・・・・・・・・・

たかが命じゃないか・・・・・・・・・・・

たかが命じゃないか・・・・・・・・・・・

たかが命じゃないか・・・・・・・・・・・

たかが命じゃないか・・・・・・・・・・・

たかが命じゃないか・・・・・・・・・・・

たかが命じゃないか・・・・・・・・・・・

たかが命じゃないか・・・・・・・・・・・



















   







   







   







   





「この子の身体はまだこんなに温かいの!

 この子はわたしたちにこの温かみで必死で伝えてるのよ!
 
 まだ生きてるって、

 まだ生きてるって!

 なのに刃を突き刺すというの!

 身体をわたしたちに勝手に切り開かれたとき、

 この子はたしかに涙を流した、

 この子は泣いた!

 運命に向かって泣いた!

 なのにこの子は、

 もう伝えることもできやしない!

 ただ一言、

 おとうさん、おかあさん、さよならって・・・・・・」













   







   







   







   





かまうもんか。やっちまえ。臓器移植がいちばん簡単なんだ。

 それに免許証の裏をちゃんと見てなかったドジなこいつが悪いんだ。



   







   

週末には命が3体収穫される模様です。

10年以上前に書いた。

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週末には命が3体収穫される模様です。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-05-13

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