対照的

海と空は 全く違う

反対方向にあって いつもにらめっこしている

でも 僕は思うよ

いつか 海と空が繋がって 新しい世界を作るんだって

そこには 僕らが今住まう世界との

違和感なんて

なくてさ

僕らは 海と空が繋がったことに気づかずに いそいそと動くんだ

きっと もう 繋がっているのかもしれないね

僕らは いつだって忙しそうだ

なんだって都合が悪ければ 忙しいからって理由で

本当に忙しい時に限って 一番大切なものを見失ってしまう

だから 僕は提案するよ

もっと 気楽に生きていこうよって

もっと 楽しく 空を見上げるくらいでさ

そしたら いつもは見えない たくさんのものが見えるよ

美しいものも 悲しいものも

なんだってみえるよ

きっと いつか全てのことを素晴らしく美しいと思えるよ

優しく優しく 誰かを抱きしめるように キスするように

そうやって生きていくんだ

そうしたら 僕らは 海と空のお友達になれるんだ

馬鹿らしいって思うだろう?

だけど 本当のことなんだ

自然と友達になれたら 怖いものが少し減るんだ

刺激が減るともいうのかな

そうしたら もっともっと 僕らは優しくなれるよ

いそいそと急かすような毎日は もう思い出せなくなる

窮屈な生活に押しつぶされて殺されて行った人を何人も忘れてしまう

だから 優しくなれるんだ

忘れることで 充実を得るんだ

僕らって そうやって生きてるんだよ

忘れることで生きてるんだよって

だから 僕が話した 海と空の話

きっと 忘れてしまうんだ

忘れてしまっても     




__海と空はきっと同じだよ

___あなたが思う以上に 今のこの世界は

_____そう悪いものじゃないよ



彼女は 僕に優しく囁くんだ


声なき声ってそういう こういうことだろう


不思議で不思議な おかしな話


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対照的

対照的

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-05-08

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