君という人間



「君という人間が好きだよ」

君はなんて答えるかな

「僕の何を知っているというんだい」

こんな風に答えるかな



けどさ

君は教えてくれたよね?

「人は誰でも何かを背負って生きている」

誰もが何かを背負ってるんならさ

お互い様じゃない?



君もきっと僕を知らない

だけど 僕は

君という人間が好きだよ




例えば

樽の中いっぱいに溢れている

汚物 残飯 盗品


歩くたびに少しずつ漏れ出して
悪臭やら 腐敗やら 裏切りやら

そんなものが

高い高い塔みたいに
君の背中からそびえ立っている


これはあくまで僕の想像

経験していないことを

さもありきで語ることはできない


確信しているのは たった一つだけ

それでも

僕は君という人間が好きだよ

君という人間

君という人間

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-05-03

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