*星空文庫

好きという言葉、聞こえないふり。

木犀スイ 作

「せーんぱい!」
「なに?」
「好きです!」

毎日飽きずにここへ来ては人懐っこい笑顔でそう告げられる。
わたしの何処が良いんだろうか。
根暗で、愛想も悪くて、可愛くもない。
そんなわたしの何処が。

「そう」
「はい!」
「そんなことより、これ。届かないから戻してきてくれる?」
「いいっすよ!」

聞いてないふり。
聞こえないふり。
わたしは何も聞いていない。
何も知らない。
そうやって彼のストレートな言葉から逃げている。

「ねえ」

本をあるべき所へ戻している彼の背中に声をかける。

「なんすか?」
「君いつもわたしが当番の時に来るけど飽きないの?」
「飽きないです!先輩がいるし!」

またそうやって人懐っこい笑みを浮かべるのだ。
彼はずるい。
ずるい人だ。
そうやってわたしの心を少しずつ溶かしていく。
自分の気持ちに素直な彼にほだされてる気がして何だか少し癪に障る。

「そろそろチャイム鳴るから忘れ物ないか確認してくれる?」
「ういっす!」

今日も今日とて図書室には人が来ない。
このご時世、スマートフォンという便利な道具があるのでわざわざ本を借りに来る人間はなかなかいない。
本好きか変わり者か。
たまに勉強をしに来る子もいるけれど、それは大抵放課後だ。

「じゃあ鍵閉めるから」

手馴れた動作で鍵を閉める。
今日も平凡な一日だったなとふと息を吐く。
隣を見るとパタパタと尻尾を振ってそうなくらいの笑顔でわたしを待つ後輩の姿があった。

「ふふ」
「…なんすか?」
「ううん。君は犬みたいだなって思っただけ」
「先輩の犬になるのなら大歓迎っすよ」
「誤解を生むような表現は謹んで」

どんなに冷たく突き放してもこの後輩はケロッとして次の日あの笑顔でここに来る。
そして言うのだ。
「先輩が好きです」と。

『好きという言葉、聞こえないふり。』

前作の男女逆バージョンです。
これもパッと浮かんだものを打ち殴ったので支離滅裂だと思います。
書きたいところを書き終えたら満足してしまうのをやめたい。
ちょっとチャラい後輩と、真面目な委員長タイプの先輩。
チャラさ伝わってるかな、イマイチ掴めなかった。
勉強不足ですね。
もっと頑張らなければ。

『好きという言葉、聞こえないふり。』 木犀スイ 作

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-04-16
Copyrighted

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