24時間の足音

日常を生きる足音は鈍い

いつも苦しいとか、辛いとか
それを隠すのが美学だとか

車の音も
勝手にピカピカ輝く街灯も
誰かの目線も
人が真っ当と呼ぶ道も

日々はとてもうるさい
耳をつんざく音が鳴り止まない

叫んでみたい

やってみたいこと

そう問われると皆はどう答えるのだろう

歌手とか、お店をだすとか、デザイナーになるとか。

私はいま窓から思い切り叫んでみたい
あほらしいことを。

外に出ていって瓶ビール持ってタバコ吸って
通り過ぎる人に幸せになれよ!とか言ってみたい。

夢を叶えることより難しい気がする

なんでだろう。
批判されるからだろう。

綺麗ではないからだろう。

紙吹雪を振りまきたい。
水彩画に書いた雫を降らしてみたい。

世の中はどういう顔をするのだろう。

それが見たい。

知っている人々

私を知っている人
私と仕事をしたことがある人

どう思っているんだろう。
わがままとか。
仕事が丁寧とか。

私の1パーセントの部分で、それできっと知り合いなのだろう。

真っ赤な服着て横断歩道に飛び出て、赤信号〜!とか言ったら、変な人となるだろう。

ああ楽しい。
やってみたい。

本当はこんな人間なのに。

降り止まない雨

降り止まない雨

それはどんなものなのか。
考えてみたことがあるだろうか。
想像してみてほしい。
だだっ広い暗い空間にポツンといる自分を。

貴方は失恋をした。
暗い空を見上げた。

キラキラと光るものがある。
雨が降ってきたのかなと思う。

今は降り止まないで、涙を隠してほしい。

それはきっと綺麗なガラスでできていて、
触れると他の雨とぶつかって音がする。

見上げると落ちてきそうに揺らいで、
車のスポットライトに綺麗に瞬く。

地面に落ちると、音を立てて割れる。
そしてまた地面を照らす。

音が反響して響く。

降り止まない
そして当たるとひんやり冷たく
雨の破片に当たると血が出る。

血の雨だ。
それはまた別の話。

お姫様になりたい

お姫様になりたい
女の子、いや、仕事に疲れた女性も一瞬思う時があるかも知れない。

では考えてみよう。
お姫様とはなんなのか。

まず召使いのいるお城のようなお家で、ひらひらの服を着ている。
朝はたくさんのフルーツと超美味しいお水。

食した後は朝のマッサージ、エステ、そうしている内にランチタイム。
ランチはガーデンで食べるわ
などというと、召使が広いイングリッシュガーデンにランチタイムをご用意。
日傘をさしてもらいながら、有機野菜のサラダを中心としたシェフのランチコース。
お腹がいっぱいになったところで午後は綺麗にドレスチェンジ!
国民との会話をしに城下町へ
ほほほと、笑い、15分で帰宅。
お父様に報告して、ティータイム。
お気に入りの紅茶と、パティシエの作るデザート。
少し読書なんてしながらGardenをお散歩。
英会話の先生が訪問。
30分ほどして、教えることはもうないと言われる。

もうすぐディナーだわ。

こんな毎日をくりかえして、政略結婚の末、よくわからん王子と結婚。

皆様のお姫様像はいかがだっただろうか。
わたしは少し考えてみただけで、お姫様は向いていないと思うのでした。

あの子の捕まえ方

行くな!と言われると行きたくなる。
どこでも行っちまえ!と言われると、とどまりたくなる。
なくなると思うと欲しくなる。
イタリアン、焼き鳥、和食、どれが食べたい?と聞かれると
私はエスニックが食べたい。
それでいいよ、と言われると、焼き鳥が食べたくなるのだ。

女性とはかわいいものだ。

褒められると謙遜し、けなされると自分を誇示する。
認められると飽きて、ダメ出しされると続けたくなる。
強気の理不尽を三日に一回ぶつけてくる。
お腹が空いているときは反論してはいけない。
糖分か飲み物を与えよう。

かわいいわがままだ。

めんどくさいなんて言わず、かわいいと言ってあげてほしい。
もしくはきゃわわと言ってあげてほしい。

ふっと笑顔を見せたら

それだけで君も隣のあの子を捕まえられる。

今日も楽しく過ごしてみよう笑

私の中の私

朝眼が覚める
起きようとする
仕事に行こうと思う
タバコを吸おうと思う
私が私の体を動かす

体があって私がいる
歯を磨こうと思う
そしてブラシに手を伸ばす

いつもは意識せずに行うことに、自分の心に耳を傾けると、不思議な感覚になる。

どうしたい??これから
肩こりがひどいから、筋肉つけたい
そうだよね。
体力もないしね
もっとコントロールしなよ。私を
ごめんごめん、そうだね、体ちゃん。
いつもありがと。
いいんだよ、たまには飲んで、悩んだりしても。
だけど話しかけてきて、たまにはね。ずっと一緒に生きてきたでしょ。
小さい頃おてんばだったけど、なんにでも好奇心を持って進む君もいいと思ってたよ。

ありがとう。健康でいてくれて。

心の方は難しいから、入らない時の方が多いけど、愚痴だってきくし、体調悪い時は早めに信号だすからさ。

うん。

君ががんばってるの、いつもわかってるよ。

一緒にがんばっていこうよ。

味方はここにいるよ。
生まれた時から。
お互い大事にしていこう。

誰が何を言ったって、二人でやってきたじゃない。
馬鹿らしいと、嘘くさいと言う人もいるかもしれないけど、一人だって一人じゃないよ。

うん。

健康で、話を聞いてくれて、私の判断で痛みを伴っても我慢してくれて
最高の相方が私にはいるね。

明日も頑張る。

とにかくはやく寝なさい。

はい。すいません。

おやすみ!

おやすみ。

金曜日の夜を魔法の絨毯で

明日は仕事がおやすみ。

世界を見にいってみよう。
久々に、空飛ぶ絨毯を広げてみよう。

角折れてたら危ないからそこ伸ばしてね。
そうそう。

じゃあ窓をあけて。

風ある???
いいね、少し強めで。
結構遠くまでいけるよ今日は。
もう、12時だけど若者が爆笑してる声聞こえるわ笑
金曜日だからね!

ユニクロのダウン着たほうがいいかも。
夜は冷えるからね、春でも。

イルミネーション通って行こか!
お酒一つ持っていこうよ。

じゃあ乗って乗って。

あ!チーズも持って!!
星空見えるし、最高の夜にしよう。

冷蔵庫の上の段ね。

よし。じゃああぐらで。

いくよ。

幸せを感じてたら物足りなかったり合コンしてたりさ、
金曜日って人間が面白い日だよね。

いってきます!

母と父

たまに帰る実家。
あの頃はうるさくて心配性で今でも何でもかんでも干渉してくる両親に煩わしさを覚える。

何もない平坦な田んぼだらけの街。
ここに何が楽しいことがあるのだろうと思う何もない小さなふるさと。

ご飯を食べて話して、
その後に気づく。

丁寧に太陽に干された布団。
帰ったきた娘が気持ちよく寝られるよう。

美味しいご飯。
少しでも精をつけ厳しい都会で頑張れるよう。

寝る、と言って部屋に行った後、
明日の朝ごはんを用意してる母。

大事な親友が逝ってしまった後、形見と残してくれている迷彩のソファー。

壊れていそうなDVDプレーヤーをなんとか使いながら、たまにくる娘のため無駄遣いをせず

太陽な匂いのする布団に包まれて気づく。

大きな愛に気づく。

包まれていて感じなかったやさしさに大人になって気づき出す。

愛に泪を浮かべる日などいくつあるだろう。

偉大だ。

いくつもの仕事をこなし、幾多もの成功を手にしてもきっと、
この両親に追いつくことはない。

おじいちゃん

頑固だった。
本ばかり読んで、健康的なご飯を食べ、一定の生活リズムで、自分を曲げない。

孫には極度に甘く、垂れそうな目をしながら、
合えばおお、おお、と元気か、と声をかける。
そしてばあちゃんに帰るぞ!といい、秒で帰っていく。

正月には親戚があつまり、じいちゃんの
元気で!!という謎の掛け声で宴会が始まりだす。

そのあと10分もすればいなくなり、自分の部屋で本を読んでいる。
死後の自分、宗教、などの本がほとんどだ。

そんなじいちゃんもついには、倒れた。

もうダメかと思った。

しかし、復活したじいちゃんは、家に帰ると言って娘を病院で追っかけまわしたらしい。

次に会えば元気だと言って、歩行器をガーッと遠くに飛ばし、そこまで腕を元気に振って歩く。

孫たちが婚約者をつれていけば、孫を邪魔だと言わんばかりにおしのけ、婚約者に握手を求める。

あたたかいな!手が!
などという。

そんなじいちゃんも、ついに転んでしまい、骨を折ってしまった。
高齢者ゆえに、もう歩くことはできないだろう。

歩くことができなくなったじいちゃんもさすがに、

おれはもうだめだ!だめだめ!
と手を振る始末らしい。
3歳児のイヤイヤ期だと命名され

なぜか笑える展開に、いつも姉と、なんでなんだ、なぜ悲しい、という方向にならないんだと話していた。

歩けなくなったじいちゃんは、食べることも難しくなり、血管からの栄養も受け付けなくなり、
とうとうもう死期が近いらしい。

それでも生きそうだと
思うのは何故だろう。

私の中のじいちゃんは不死身だ。

きっと大丈夫。
きっと大丈夫。

きっと大丈夫。

泣いてしまえば本当になってしまう。

いなくならないで。
まだ生きていて。

結婚式も見届けてよ。
じいちゃんは不死身なはずだ。

きっとまだまだいてくれる。

だけどじいちゃんが疲れちゃったらどうしよう。
辛いのなら、どうしよう。

だけどじいちゃんは頑固だから、そうなったら、すまんな!って言って、旅立つだろう。

いつものように、またな!元気で!

と。

24時間の足音

24時間の足音

  • 自由詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-04-09

Copyrighted
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Copyrighted
  1. 叫んでみたい
  2. 知っている人々
  3. 降り止まない雨
  4. お姫様になりたい
  5. あの子の捕まえ方
  6. 私の中の私
  7. 金曜日の夜を魔法の絨毯で
  8. 母と父
  9. おじいちゃん