ヴァンパイアの花嫁の僕

何となく、時が止まっていくような気がした。
まぁ、僕は半妖だから長生き出来ても永遠に生きられない、ご主人様とずっと一緒にいられないから止まってくれた方が嬉しいや。
ご主人様が僕のことをどう思っているかは知らないし聞くのが怖い。
でも、僕はご主人様、否、シゲアキのことー…

「ん…」
ゆっくり海面に浮上するように意識が浮上する。ゆらゆらと揺れている黒髪の男が優しく僕を見つめていた。
「起きたか、ケイ」
と、彼ー僕のご主人様ことシゲアキはそう問いかけてきた。どうやら彼は僕が横たわるベッドに腰掛けているらしい。
「ごしゅじんさまぁ♡」
「朝から甘えたですか、ドマゾ猫」
毒舌を吐きながら彼は僕の横に滑り込み抱きしめてくれた。僕はご主人様の少し冷たい体に絡みつこうとしたがうまくいかなかった。
「んぅ?」
なんでだろうと思い自分の体を見ると何故か真っ白でふわふわとした裾の長いドレスを身にまとっていた。
「!?」
「あー、バレちゃった…」
ご主人様は僕の耳元にそっと唇を寄せた。
「ケイ、俺とずっと一緒にいたい?離れたくない?」
「んっ♡当たり前です!僕はご主人様のものだもん」
ご主人様はフッと柔らかい笑みを浮かべベッドから降り僕をベッドに座らせ左手を取り跪いた。
「ケイ、俺の永遠の花嫁になってくれませんか?」
「へ!?/////」
は、はははは花嫁!?夢見たい…。
「あー、嫌なら無理にとは言わないけど…」
僕は咄嗟に彼に抱きついた。
「花嫁になる!シゲアキのこと愛してるもん♡」
「可愛すぎ、ドマゾ猫の癖に」
なんて悪態つきながら僕を優しく抱きしめてくれた。
でも、僕には一つだけ不満があった。
「でも、僕半妖だから…」
「嗚呼、それなら大丈夫だよ、お前も俺たちの仲間入りしたから」
優しく微笑みながら彼は僕の頭を撫でた。僕は永遠の時を一緒に過ごせるのが嬉しくて嬉しくて彼に口付けた。
「シゲアキ愛してる♡」
「ばか、俺の方が愛してるよ、ケイ」

ずっと、愛してます、消滅しても貴方をー

ヴァンパイアの花嫁の僕

ヴァンパイアの花嫁の僕

「ヴァンパイアに拾われた僕」のプロポーズ編。とりあえず、小山さん乙女

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-04-07

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