瀬戸際

瀬戸際




   







   




「リル、自分を大切に」



「どうかどうか、その言葉に縛られてみてほしい」







不意に恩寵の欠片

いつも 

欠片が

もう とても遠くから

でも まだ それが遠くから







「リルは楽になりたいのに」


「だから楽になってとお願いしてる」







震える紫煙

ゆっくりもう一度 息をつく

視界が滲んだら

視界を捨てて

指先だけで

辿る








何度も 何度も目を覚ました


途方の先には 落ちていた暮れかける陽


穏かに流れる今日が窓の向こうでドッジボールしていた。




   







   

瀬戸際

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瀬戸際

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-04-02

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