北国にて
山を下る風は冷たいのだと
女はいう
だから俺は南が良いのだと
男が笑った
良きにつけ悪しきにつけ
連なる壁を越える風が
そのまた昔にあっただけ
うたうものは少ないでしょう
女はいう
たしかにそのうたを聞いたぞ
男が笑った
良きにつけ悪しきにつけ
透明性を担保したガラス張りに
針が示す方角はないだろう
北国にて
旅行の感想
山を下る風は冷たいのだと
女はいう
だから俺は南が良いのだと
男が笑った
良きにつけ悪しきにつけ
連なる壁を越える風が
そのまた昔にあっただけ
うたうものは少ないでしょう
女はいう
たしかにそのうたを聞いたぞ
男が笑った
良きにつけ悪しきにつけ
透明性を担保したガラス張りに
針が示す方角はないだろう
北国にて
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