願い
曇りの日は空の距離が近くなるけど
それは地上に落ちてきたものだから
ボクと地面を縫い合わせる糸の強さは
相も変わらずイコールの平行線
道端の花が可憐に咲いたまま
空だけが近くなるなんてことはないのだから
花はいつか枯れて
空は青くて高いままでいてほしい
安心安全が一番なんて言わないけれど
変わるから美しくなるものがあるなら
美しいから変わらないものだって
同じようなものじゃないか
朝日が夕焼けに変わるような
夕焼けが夜闇に変わるような
不可逆的な理不尽さが
どことなく寂しくて懐かしくて
そういうものをどこかで求めている
時計の針が逆転する世界で
言いたいことが言えなくなる前に
書き出してみたこの文字列を
どう名付けてみようか
願い
とにかく、今のうちに何かを書きたいと思って書いたもの