夜明け

ハイミドリ 作

  1. 不器用な目
  2. 涙を啜る唇
  3. オリジナル
  4. 罪ではないよ
  5. 臓器の取扱
  6. 三歩先の声
  7. くさいの
  8. 乙女の非常ベル
  9. 胸章
  10. ホルマリン薬液に浸かった夢
  11. 混血の誇り
  12. こどものうた~探偵グレイッシュ・チェッカー~
  13. Flied water Children εiз
  14. コルチカム
  15. 果実
  16. 呼び捨てでいいよ
  17. 胸いっぱいの一輪の花
  18. 言って欲しいこと
  19. 君の欠片
  20. プレイリスト
  21. 春一番
  22. 夢の花
  23. フェリス・ホイール

不器用な目

どこを見ていいのかわからなくて
向かい合わせの君を見ないでおこうと思って
その向こう側をぼんやり見ている
焦点はもちろん君に合わせているよ

食事を運んでいる店員さん
シャッター
街路樹

スーパーのお酒のコーナー
住宅街
いちゃつくカップル
赤いソファ
天井
スクリーン

そんなものが見えてたけど
大体そこには笑顔の君がいる

怖いのは離れることじゃなくて
失うことだったと思う

同じ方向を見ているときは
同じものが見えていたのかな

歩きやすい夜道
雨の中の歩道
窓の向こうの天気
虹のかかった夕方
カラオケのモニター
明け方の商店街
スクリーン
非常階段

命があれば終わりなんてないんだと思う
視線を合わせるのが苦手なのは
目が合った時に私の内側を見透かされそうで
下手なくせに逃げたり隠れたりしてばかり

恥ずかしがり屋の本質は変えられないと思って
一人で少し笑った

涙を啜る唇

花束を抱えて訪ねてきたあなたは
私の部屋の前で寒がりながら扉が開くのを待っていた
変な時間の来客に戸惑いながら受け入れると
シーンが変わる

小さな団体のお客様が来店された
その中にあなたがいて
私はみんなの上着を預かり
業務をしていたらしい
しばらくして私が退勤時間になった頃
その団体のお客様の一人が
「キミも飲んでいきなよ」と誘ってくださった
了承を得て参加してみたら
とっても楽しくて
気がついたら隣にあなたがいた

あなたは何か発しようとしていたけど
言葉にならないらしく何かの拍子に机に手をぶつけた
私は可哀想になって
その手をさすったり揉んだりしていたら
もう痛くないはずなのにあなたは涙を流した
あなたの方へ握っている手が引き寄せられ
抱きしめる格好になったとき
あなたは大粒の涙を流し耳元で私の名前を囁いた
その声がとても愛しいと理解し
流れる涙がもったいなくて少しだけ啜る
あとからあとからこぼれて行ってしまうので
背中をぽんぽん撫でた

小さな子がするみたいなキスをほっぺにくれた
私もほっぺにほっぺをくっつけてうにうにした

店内が静かになっていき子守唄みたいな鼻歌と
優しい空気や視線が辺りを包んで
この物語はおしまい

オリジナル

劣化コピーが溢れているこの世界に
あなたはオリジナルでいた
時々コピーのコピーをして遊んでいたようだけど
それはオリジナルだからできる遊びなんだよ

あなたはコラージュだと笑う
確かになと私はうなる

もう随分と他のオリジナルを見かけない
人類は滅亡の一途を辿る

罪ではないよ

私からお願いしたことだから
君は私のお願いを聞いてくれた優しい人

私はあの時確かに死んだよ
大人になる前に犯され
大人になったら今度は上司に組み伏せられ
幽霊の少年しかビルの縁から助けてくれなくて
その少年が君にバトンを渡さなかったら
私は君が罪だと思うことより
重いことをしていたと思う
あの時私をちゃんと殺してくれたから
息を吹き返して今もこうして生きているよ

君の手はとても温かい
柔らかくて
ぴったり肌に沿う
迷いはあっても躊躇いのない力
徐々に強まっていく圧力は
私が本当は生きていたいと気づかせるには必要で
君の手なら悪くないと思いながら
君に罪を被せたくないと思ったよ
それが私の償いだよ

もし君がまだ
私を殺したことを罪だと感じているのなら
それは浸っているだけに過ぎない

何度も言うよ
あれは君だから出来たことで
君じゃなきゃお願いできなかったの
呼吸ができることに感謝を覚えたのは
君が私の首を締めてくれたからなんだよ

だから
罪ではないんだよ

臓器の取扱

何の布石があったのか知る由もないのだが
自らの肉体で脳とは別に管理されているとある臓器に
私は悩まされている

主に下腹部近辺
なんらかの条件が満たされると
人間からヒト科
もっと言うと
女性から雌
少し退化する

理性という服を脱がされてしまうのだ
誰にとも言えよう

私は体の中でも特にそこは
コントロールができないことに
ある種の恐怖を抱く臓器だと思っている

体の言うことがきかないのは慣れている
でも
追加で何かを欲するのは本能
だとしても
舌をしまえない猫が
可愛いと笑われてSNSに拡散されるような
面白いものなのかと客観視したくなる

別に禁欲的ではない

胸部が未発達で
下腹部の臓器が違う生き物の考えることが
解らないだけだと思う

何となく思うに
作業をすることに適している骨格や筋肉を持ち
発達した喉から発せられる音に癒されるのは確かだ
個体差はあれど

何が言いたいのかというと
発情スイッチの入りやすい時期になりましたね

三歩先の声

まっすぐ差し伸べられた手に
90度のお辞儀
あなたはたった一言で
私の心に居場所を作った
その手を握った時の顔
小さなガッツポーズ
途端に愛しくなったから
少し泣いた

決まってお店の前で待ち合わせて
何を買うでもなく歩きだしても
いつもあなたは
私の後方1.5メートル維持
時々後ろで何か呟いてるの知ってるよ
結局何て言ってたのか
教えてはくれないから
怒って聞き返してもヒミツのままで

縁石に腰掛けながら見上げた空の風
「大丈夫だよ」と言ってくれたから
笑えるようになったんだ

あなたに呼ばれた言葉たちを
全部食べてしまいたい
その声がキライな自分をスキにしてくれた
周りがスキで溢れるから
もう食べられないよ
途端に愛しくなったから
少し泣いた

名前を呼んだらまた髪を撫でてくれそうで
肩に頭を押し付ける
自分の存在が消えそうになっても
その手の感触が「ここに居てもいいんだよ」と
言ってくれている気がして甘え続けていた
それなのにあなたの剥き出しの心に触れるのを
いつまでも怖がっていた

虹を見つけに歩きだして
重なる姿が目に留まれば
どんな空も大切な宝物

遠くに見つけた色とりどりの雫が
私に体温を与えてくれるよ
汚れた血も洗い流して傷口が塞がっていく
カエルの声も差し込む光も
溢れて零れてしまったって
すべてが愛しいから
私は叫ぶ

振り返ると必ずあなたは恥ずかしそうに笑ってた

くさいの

不快な臭気ではなく
強いにおい

排泄物や腐敗した食物や死骸のにおい
香水や調味料や植物のにおい

豚小屋で飼育されるとね
放牧されている世界はいい匂いに感じるんだよ

快か不快かならあなたは快
でも
くさいかくさくないかなら
あなたはとてもくさい



濃い蜜を持っているような花の匂い



夢中で気管を満たしたくなる



肉体の成熟を自覚した頃
とてもくさい男の子がいた
清潔で発育もよく乱れてもいない
なのに何かの強いにおいがした

ふとした時に近くにあって
席を立てばどこかに触れ
視線は無意識に追う

極めて本能的な
嗅覚が嗅ぎあてた恋だと思う

所属を離れても偶然再会したとき
次も同じ匂いが思い出せるように
顔を押し付けた服の向こう側まで
焼き付けるように呼吸を繰り返す

私があなたへ親愛の最大表現に嗅ぐのは
彼の面影があって
近いにおいを持っていたから

戻りたいかと問われれば戻らなくてもいい
私にとっての安息香だったというだけの話

もっと心の成長を人並みに遂げていれば
うまくいくかはさておき
そのくさいのを思う存分嗅ぎたかったと思うだけ

乙女の非常ベル

体育教師の大きな号令
列を作るダルそうな生徒
ジャージのまんまで雑談して
番号違いが隣り合わせ
緊張感のかけらもない
なんならこのまま隠れちゃおうか
ねぇねぇおにいさんこちらにおいで
一緒に手を繋いでヒソヒソしよう

番号違いの隠れん坊さん
一緒にいたらいいものあげる
私の大事な大事な秘密
手首におまじないしといたから
切れちゃう前にハグしてね

片手にかけられたピンクの手錠
どこにも固定してないなら
早く私にかけてね?お願い

ジリジリ鳴ったらよーいどん
廊下を走って階段飛び降り
校庭のど真ん中青春さんは汗と流れる
シャツが張り付いて気持ち悪いけど
みんないるからまた後で
みんな見てるから隠れてね?

体育教師は今日もいる
私は名前を呼ばれると
無理やり合わせた番号を
起こして来いと仰せのままに
声をかけても手を振っても
隠れん坊さんは無反応だから
いつも以上に近づいて
二の腕キュッとつかんだよ

番号違いの隠れん坊さん
一緒にお弁当食べましょう
冷めてもおいしいものだから
温めちゃったらウマくてヤバそう
制服なんて包み紙でしょ?

髪で隠した騒音対策用イヤホン
同じ歌を聴くのもいいんだけど
お互い外して声で塞がない?

ジリジリなーんかあっついかも
窓を開けて日陰に逃げて
カーテンか扉の裏青春さんは汗と混じる
下世話な噂で汚されちゃうけど
素肌が見えてるところなんて
手しか握ってなかったよね?

それはなんて非常事態
脱出できない重要案件
壁ドンしたやつなんかより
君の方がもっと好き
ホントはいっぱい触りたいよ?
でも私何も知らないし

ジリジリ黙っていられなくて
覚えててくれて嬉しくなっちゃって
ハグしたい欲求の青春さんは腕に包まれる
周りの視線に顔が熱くなってしまうけど
埋もれてるからずっと隠してね
意外に力強い君の腕
押し付けちゃう感じな私の胸
わざとじゃないし!偶然だし!って
非常ベル壊れちゃった私の学校

胸章

みんなの前と君の前
ホントの私はどっちだったのかな

かつての主人格が君の記憶に蓋をしていたのは
ついさっきやっと気が付いた
「私」と「あたし」の境界線は
まだサルベージできてないけど
互いに想い合っていたことだけは見つけられた

また切りたくなったらキスしようって言って
君の傷は増えてって私はどんどん忘れていく

思い出してきたから
傷も治っていっているのかな

付き合っちゃおうか?とじゃれ合って
どこにも安全な場所を知らなかったから
私たちには学校がお家だったね

ホルマリン薬液に浸かった夢

まだ暖かい季節だというのに若干の寒さが際立つ教室にある標本
眺めるのが大好きで授業の前後誰よりも早く入り最後に帰る

ある日教師に名指しされ片づけを受け持ったのだが
正直どうでもよくて標本を眺めるために了承した
一緒に片づけを手伝った少年も部活があるのに仕方なくといったところだ
いくつか言葉を交わしながら一通り標本を眺め実験道具を集めていく
さっさと洗って標本標本~とか口遊み鼻歌うたいながら
水道の冷たさを無視して洗っていく
自分の受け持つ列の机の器具が次々に奇麗になっていく程
その手はかじかみ赤くなり顔をしかめる
ふと迎え側に視線を移すと少年がビーカーなどを洗う姿が目に入る
シンクから湯気が上がっていて難なく悠々と器具を洗っている
「お湯出るの?」と聞いたら
「あぁ」と返事
「蛇口赤いほうひねっても出ないんだけど」と言うと
「ここ、こうしてみ?」と机についてるスイッチを押す
するとさっきまでの苦痛な作業が途端に楽になるなぁと苦笑とため息がこぼれた
だってほとんど洗い終わっていたから
少し手を温めようと流れるお湯に浸していたら
途端に熱湯に変わり熱いと小さく悲鳴を上げた
もうすでに容器も洗い終わったから多少残念ではあるもののお湯を止めスイッチを消す
さぁ標本を眺める時間だ!あの子が洗い終わるまで
でもものすごく手が冷たいというか骨まで響いている
息を吹きかけたり擦ってみても教室の寒さもあって温まらない
そんな中何で標本を眺めるのが好きなのか聞かれたので
標本は色素の劣化はあるものの美しい状態で生物の遺骸を保存できることを力説した
不思議ではあるがさほど興味もないような返事が返ってきた
それから「    」と言われたが何のことかよく分からなかった
しばらく眺めていたけど手の冷えがひどく強く感じ足も冷えてきたので
やけに洗うのが遅いなぁと気にかかり少年のもとへ近づくと
そこにはまだ洗っていない実験道具が半分以上残っていた
男子というのは食器などを洗い慣れない生き物なのか?と呆れながらその場をどかせ
お湯の温度が丁度いいシンクにテンション回復して残りを洗っていく
さっき冷たい水で洗っていた倍の速度で片付いた

きれいになった実験道具を眺めて満足感に胸を反らせていると背後から呼ばれた
振り返ると割と近い位置に立っていて何か伝えようと伺える
告白だった
だが私は応えることに戸惑っていた
大切な人がいると伝えたがそれでもいいと一歩近づいてきた
気持ちを伝えてくれたことに何か返せるものはあるだろうかと胸に手を置き逡巡していたら
その手をそっと掴み自分の胸に当て温かさが伝わってきたので悪い人ではないのだろう
私は安心して目を閉じしばらくその温度に浸っていた

目を開けたとき眠っていたことに気づく
ぼんやり呼吸していると黒い上着が掛けられていた
部活の物か汗臭いというより男臭くてなんか暖かい気がしてそっと笑う
床に直接座っていたのかと思ったらそこにも服が敷かれていたのに気づく
荷物や服があるのでどうしようかとため息をつきジャージの刺繍された名前を見たが何も思い出せない
カバンを胸にかけ服を腕にかけ寒い教室を出る
季節が変わったかのような気温と喧騒に私は神隠しにあったような気分になった
教室に戻りすぐ少年を見つけたので忘れものだよと部活ちゃんとしろよと伝え一式を返す

私が死んだときエンバーミングでも施してくれたのだろう
それから随分とホルマリン漬けを見ようという興味が向かなかった
そんなことをいつかの資料館に展示されていた標本類を眺めていたら思い出した

混血の誇り

イヒ リぃヴェ ディヒ

彼は呟くように 囁いた。
私はまるで 天使に射られたように 目を丸くした。
だから、こう返したの。

やー リュヴリュゥ ちびゃ


背中を預け合って 手を繋ぐ。
その温かさは触れずとも 解る。

私は蘇る 私の為に 、

こどものうた~探偵グレイッシュ・チェッカー~

ここ最近、見事にグレイのチェックを見かけてうんざりする。
ああいうの着てる人の気持ちが知れないわ←
まるでバカな猿の物覚えの様。

どうやら私を苛立たせて「世間様から」の印象を悪くさせようとしているのか
知らんけど。
元からそんな美しいものは存在しないので、気持ち悪いことしないで頂きたい。
嫌なら、近づかなくていい。
興味があるなら、礼節を欠片くらいは残しておけ。
そんなものだろう。

マウント乙。


ただ、こう言う事は刑法で裁くには「灰色」だから、君は調子に乗っているんだろ。
そう、気を付けて発言しろよ。そう考えてるのは君だけじゃない。
特に浮気性に多いらしいから…。
自分を引き上げるんじゃなくて、他人を蹴落として自分の位置を保とうとする阿呆。
向き合わなければ、そいつは一生ついてくるんだよ。


「子どもが失敗をした。ざまぁ」そんな母親、死んじまえ。
「子どもがイイ体に育ってきた」そんな父親、拷問に遭え。
さぁ、卑猥な性的対象の事ばかり考えているのは、一体誰なんだろうね。

文字残すのは久しぶりだが、ここでも何度も言うよ。
子どもはてめぇの人形じゃない。
むしろ、てめぇらより高等な生物なんだよ、この畜生。
弱い者いじめしかできない可哀そうな家の「元子供」さんよ。
一体、いつになったら「いのちのたいせつさ」に気が付くんですか?
自分の命は『これでもかっ!』ってくらいオナニーするのにね。
子どもの命はレイプ並みよね。

あぁ、教育の大切さよ。
私は嘆かわしい。

Flied water Children εiз

生まれなかった命に感謝しよう。
人口爆発の歯止めをしてくれた。君に感謝だ!

なにぃ?!今度は人口減少だってぇ???!
まぁいいか。私の頃は、きょうだいが多いからこそ与えられなかったものがあるんだ。
子どもが少なくたって、今の子は能力があるんだから…
そう、沢山稼いでもらえれば問題ないだろう!♪

当面は、いかに長生きするか考えなくてはな……死ぬのは怖い。シヌノハコワイヨウ…オカアチャン。

ところで君キミ!いったいどこの国の歌を唄うんだ!!!たわけもの!
やっぱり君世代は『戦争も知らない非国民だねwwwwww』
あらあら、言わせていただきますけど、そこのオジサマ?
あたくし、オジサマが高級車を乗り回して奥様が陰で泣いてる間に
お爺様やお婆様のお話を聞いて育ったんですのよ。
オジサマが思うような「善・悪」で区切れる戦争って存在しうるのか?と考えながら育まれ
あなたのご両親の介護をしていて強く思いますわ。

もちろんオジサマは身を粉にして頑張ったのでしょう。
たまには頑張ってる方だから、お姉さま方よりましな部分はありますけれど…
でしたら、あの卑猥なことしか考えられないお姉さま方を調教して下さらないかしら。
あたくしは「都合のいい時男役の基本スケープゴート女」なんで、いい加減疲れちまうんです。

あらあら、もう何を伝えたかったのか混濁してしまいました。
あなた方が「男が良い」「女が良い」とかで生まれた私が例え男だったとしても『がっかりするのでしょう』?
待って、待ってくださいまし。
子どもが生まれるのは籤引きじゃないんですよ。
まんず、五体満足で生まれるのが当たり前だと思ってるそこのお姉さま。
あなたはもう年なのに、何故自分の娘が身ごもる事を拒絶するのですか?
何故ですか?お姉さま。
そんなに私が憎いのでしたら、生まれた瞬間に死なせておけばよかったものを。

あなたを自死から救ってきた私に対する仕打ちが、この様でしたら。
あたくし。
「親子の縁は切れないもの」なのでしたら、刑法に引っかからない範囲で最大限に困らせていきますからね。
取り戻そうとしたって遅いんですよ。家族ごっこ気持ち悪いですから。
せいぜい、自分の死後に恐怖してくださいな。


余所の家は余所の家。私の家は既にありません。
だからね。
もう、依存しないでくださいませね^^

コルチカム

私と君だけ居れば、それでいい日々。

君を君と認識して目が合った時、私の居場所はそこにあるんだって思えた。

どこかの山で野たれ死んだらきっと、亡骸から葉のない花が咲くでしょう。

私が好きな季節にだけ咲く花なのよ。

魅力的で重宝される花たちによく似て交じって「役立たず」は芽吹く。



精製された骸炭の欠片を飲み続けて、その骸から咲く花が毒草で

結局私も自分の身が可愛いのかもしれない。

果実

熟んだ 苦しみから出ておいで
私の指先 腕 身体
顔に何も写さないまま
現れた姿は 本当に醜いの?

水晶にもインクルージョンがあるのに
内包された汚物を取り除いたとしても
芯から研ぎ澄まされることは きっとない

きれいなところだけ切り取っても
それが全てではないと誰かの心の中に ほら
感じる世界が 美しくないの 楽しくないの なら
空っぽになるまで 喚き 叫んでごらん

どんな気持ちになったか 私に教える頃には
過去になっているよ

呼び捨てでいいよ

ある日、心臓に芽が生えた。
今はすくすくと育って、皮膚を突き破って咲こうとしている。

呼ばれてからいくらも経っていないのにね。
あなたの声はどんな養分より良く育つ。
そのまま伸びて、あなたの心臓まで届けばいいのに。

布団を抱えて泣きじゃくる姿が目に浮かんだので介抱してみたり
でも何も言わないから、私の名前しか呼ばないから
あなたを泣かせるのは一体何なのか、辺りを見渡しても誰も何も言わない。
死んだら悲しいから生きていてね。
傲慢かもしれないけど、私が悲しくならないためだけに生きていてもいいよ。

「くん」とか「さん」をつけて呼んだとき、呼び捨てでいいと言ったので
そうしたんだけど、やっぱり敬称がいいのかな?
未だにそんなことを思い返す。


あなたには変わりないのだけどね。

胸いっぱいの一輪の花

あなたが生まれた日から一日一輪花を見つけるよ
枯れてても 萎れそうでも
花は花だから
もう一度会えるまでに必ず一輪は見つけるよ

私は花の咲かない所で生まれた子
凍った雨粒が降り注ぐ季節の落とし子
暖かい実の中で私と外界を繋ぐ蔦が私の首を縛っても
「生まれたい」って叫んで呼吸を始めたんだ

一面の真っ白な世界に存在し始めた真っ赤な花の蕾のように
たった一つだけ願い事を叶えてもらえるとしたら
あなたは何を願いますか?富・名声もしくは愛?
私はその願いをかなえるよ きっと受け入れるから
いつか教えてね

あなたが一つ口遊むと私はあなたの生存確認リストを更新する
そして安心したかと思えば少し淋しくなってしまう
わがままでゴメンね
やっぱり心許ないよ
この季節は花が咲かないから

もう一度 手を繋げれば それでいいよ
遠慮がちに空想してみる

空の青が灰がかっていく
空気が澄んで呼吸が可視化するよ
空っぽの淋しさに当てはまる欠片

遠い群青に虹色の粒が光りだす頃
温かいコーヒー また飲めたら良いね

言って欲しいこと

特別と言って欲しい
貴方が私の感覚の最初で最期の人だから
特別と言って欲しい
私は全てを貴方に捧げたから
特別と言って欲しい
嘘も本当も秘密も
全部あの場所にあるから

特別と言ってお願い
お願い

愛してるから

私だけの存在になって欲しい

彼女は言った
「そうだよね。私は〇〇〇のお母さんだもんね」
気が付いたら、鼻を啜っていた。
「お母さんなのに、簡単に泣いていちゃだめだね」

少しの間、沈黙があった。

「困らせてばかりいてゴメンね。
私〇〇〇がちゃんと生きてるってわかって良かった。
もう泣かないよ」
確かにこの腕で抱き上げたんだもの。

思い出すのが怖かった。
思い出した直後、あの腹部の痛みも一時的にまた蘇った。

彼女が恐怖でおびえた涙から
安堵して喜ぶ涙に変わった
うたたねのどこかで思い返しながら
私は、子供っぽいワガママで彼を困らせないようにしたいと
心に決めた。

君の欠片

掌に収まる言葉の欠片
気がついたら飲み込んでいて
甘くて少し苦くて
なんだか温かい

熱々のパイの上に乗せた
アイスクリームみたいに
溶けていく心

欠片はだんだん温かさを増している

熱くて
とっぷりと
私を包んでいく

不思議な湯船に浸かってる気分

さっきまで冷たい爪先が
ふいに温かくなっている

このまま
とろけるように眠る

静かに呻く夜

プレイリスト

あなたのとても低い声が
唸り叫び声が
どれだけ私を食い散らかそうと
そんな気迫を感じて
甘く身震いするのを
気がついていた?

ずっと知られないようにしていた
その時の私は
とても獣めいて醜いと感じていたから
でもお預けを食らうと
とてもじゃないけど我慢できなかった

どうしてそんなに
切ない旋律なの
泣いてしまうのは何故なんだろう

春一番

春の足音が聞こえるようになってきて
暖かさを夢ではなく
希望に思えるようになってくると
甘酸っぱい木の実が転がり込んできた

誰かが傍に居てくれる温かさと
誰かを心の中で思い続ける温かさに
優劣はない

口の中で考えている
このまま齧ってしまおうか
もう少し含んだままにしておこうか

飴玉くらいの木の実
鼻に抜ける爽やかな甘い香りを
少しだけ暖かくなった強い風が
黒髪をなびかせて
私に届ける

夢の花

生み出すことしかできない私が
あなたの芽吹いたそれを
どうやって育てられようか

実を付ければ誰かが奪っていく世界
あなたも所詮同じだった
私が話した全て自らのモノにして
誰かに守られている

「自分の力でのし上がってきた」
過程はそうかもしれない
私が死んでいたら美談だったかもしれないね

ねぇ

あの時の続きをしてよ
そうして今度は完全に殺して
そしたらすべてはあなたのモノ
誰にも守られなくていいし
本当にしたいことできるよ

見せかけの世界に溺れている人
あなたのコンパスはどこを指しているの?

私を救いもせず
また再び得たいなんて
都合のいい事考えないで

フェリス・ホイール

思い出す度に
繰り返し同じところで止まる
壊れた観覧車

手を引いて導くよ
妖しい中通りのビルの中
エレベーターの最上階
騒がしいゲーム機をすり抜けて
ねぇ入場券は持った?

何を話そうか
あまり遠くを…なぜか見れない
向かい合わせが隣り合わせ
君はただ自分の席を替えて黙ってる
私は不用意に揺れる席の動揺を隠すため
最近のモバイルの話題を振る
本当はどうだっていい

ただこの席の景色に
私達以外確認できなくなった瞬間
あの時と似た感触を味わうことになった
本当はどうだってよくない
繋ぎ目が壊れて取れてしまうんじゃないか
本当はどうだっていい
あなたは誰かに似ている
本当はどうだってよくない
一周がすごく長くてとても短い
本当はどうだっていい
胸の鼓動はただの高所恐怖症
本当はどうするのが良かったのか
解らないまま振出しに戻って
ハイ解散

口内に意識を向けて
その感触を思い出すまま
眠るのを惜しんでいる脳内

夜明け

君の夢を見る日々。

夜明け

更新していく詩集です。 ―君から答えを引き出すまで 止めてあげない (あいして―あの日を思い出して。より)

  • 自由詩
  • 短編
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日 2018-03-16

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

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