*星空文庫

HEVEN 4

零。 作

HEVEN 4

2922日目の記念日

目を開けると時が戻っていた。瑞樹が「ねえねえすきだよ?」とか甘ったるい言葉を伝えてくる。「ああ。俺も。」心無い返事を僕はしている。こんな早い別れをするなんてこのときは知らなかったからだろう。多分今日という日が来るということを僕が知ったらもっと優しく抱きしめて言っていたろう。前にいた瑞樹が消えていく。これはいわゆる走馬灯?ああ、思ってたよりもすごくリアルなんだなー。あたまのなかで聞こえる。瑞樹の呼ぶ声が。「和也」「桐山くん」「かずくん」って、きぶんで呼び名が変わる。僕の心を揺さぶってくる。記憶の君を見ると君はいつまでも優しく微笑んでいるよ。あの日帰る途中君と二人笑いながら手を繋いで、ずっとずっとこんな時が続くと思ってたのに。君と最後に話した「いってらしゃい」の後悔。会いたくて会いたくて。でも、名前を読んでもかき消されている。左手の薬指に光る君とおそろいの指輪を見つめる。これが二人の最後の記念日のプレンゼントだから。遠い世界で君は今も指輪をつけてくれてるのかな?いつかキミ費伝えたいと思っていた気持ちはずっと僕の心のなかに残っているだけだ。何処かで悲しんでいる君に僕は名前を呼ぶ。「瑞樹!」君の名前を呼び続ける。でも、いつもの優しい返事がない。ああー。痛いな。心が。愛する人よ聞こえていますか?あとどれだけ叫べ届くかな?

『HEVEN 4』

『HEVEN 4』 零。 作

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-03-14
Derivative work

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