【掌編小説】恐るべき子どもたち

トモコとマリコ(六井 象) 作

 係の男に整理券を手渡し、案内された蛇口をひねると、黒っぽい液体が流れ出てきた。
 男の子だ。
 役所のパンフレットによれば、これを好きな型に詰めて冷凍庫で固めれば、入園式までには余裕で間に合うらしい。とりあえず一安心だ。
 しかし子どもってのは本当に良いものなんだろうか。
 同級生の中には結局ハンマーで叩っ壊してしまった奴もいると聞く。
 一人暮らしの部屋に帰り、この日のために買った冷凍庫の温度調節ツマミを目一杯ひねると、何も考えるなと言わんばかりに、モーターが低く唸り出した。

【掌編小説】恐るべき子どもたち

【掌編小説】恐るべき子どもたち

  • 小説
  • 掌編
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-03-10

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