闇に浮かぶ白い首筋
○マ ユヴォル
ついったのお題診断から
彼が俺のベッドで寝るようになって早幾年か。
今日も当たり前のように隣に陣取って、「お休み、ユーリ」と布団に潜る。
「あぁ、お休みヴォルフ。…俺も寝るか…」
枕元の火を落としふと隣へ視線をやると、暗闇の中に金髪と白い首筋がうっすらと浮かんで見える。
…そう言えば最近、彼の寝顔を見ていない。
いつからかはっきりとは覚えていないけど、彼は俺に背を向けて寝るようになった。
何故だろう。…いや、俺はその答えを知ってる。
知っていて、気付いていない振りをしている。
それが余計に、彼にこういった行動をとらせていることも。
「俺たち男同士だろ!」この言葉が本心じゃなくなったのはいつからだったか。
でももう遅い。今まで心から言っていたその言葉に、今は自分の心が雁字搦めになっている。
自分自身の常識を、どうしてもぶち破ることができない。
そして今も。
闇に浸食されることなく仄かな光を発している彼の髪にすら、手は伸ばせても触れることができない。
…へなちょこめ
とんだへなちょこだ、俺は
「…ごめんな、ヴォルフラム」
ヴォルフラムに背を向けるように横になった俺は、彼の肩が小さく震えた事に気付くことが出来なかった。
闇に浮かぶ白い首筋
自分の気持ちに気付いても、彼はすぐに態度を変えられないんじゃないかと。