貝森サキのメッシーBOX事情⑩

この小説には

①特殊性癖（メッシー）向け
②独自設定あり
③いんむ知りません

が含まれます

ルシファー「まったく……　何なんだここは……」

ルシファーは１人で廊下を歩きながらこのBOXのことをぼやいていた。

ルシファー「メッシーだのなんだのと平気で汚れると思えば素材はほぼ枯渇状態……　ラファエルとウリエルもいたが、まともなのはウリエルだけ……　ここのマスターには呆れるな……」

すると、ルシファーの足に何かが当たった。塗料の空き缶だった。ルシファーはそれに不満を込めるように思いきり蹴った。

ルシファー「何がメッシーだ。くだらん。」

ルシファーが蹴った空き缶はそのまま飛んでいき、厨房に入った。すると中から何かが落ちて崩れる音と、少女の悲鳴が聞こえた。その声はショコラだった。

ショコラ「えっ……！ウソ……！」

ルシファー「？」

ルシファーは少し気になり、厨房に覗きに行くと、中からショコラが出てきた。その顔はものすごく怒っている顔だった。そしてルシファーを黙って睨み付けた。

ルシファー「あ、あぁ……　すまない。私が蹴った空き缶がそっちに入ってしまって……」

ショコラ「……ちょっと入って。」

ルシファー「は？」

ショコラ「ちょっと来てみなさいよ！！」

ショコラはルシファーの腕を強く引いて、厨房の中に連れ込んだ。そこにはチョコレートで出来た砕けた像があった。完成していればとても素晴らしいものになっていただろう。

ショコラ「見てよこの無惨な姿をさぁ！チョコレート細工がさぁ、割れてるのよねぇ！　アンタのせいでさぁ！」

ルシファー「す、すまなかったな……　けど、作り直せば……」

ショコラ「は？　これ作るのに３日かかったんだけど？んで明日バレンタインデー、どう間に合わせろって？　これさぁ、私が板チョコから丁寧に溶かして固めてきたのにさぁ！　誠意見せてよ誠意！」

ルシファー「な、なら私が手伝うからいいだろ……　それに、くっつければすぐに……」

ショコラ「は？何それ？　今からチョコレートを取り寄せろって？間に合わないわよ！　それに、料理経験なさそうなのに手伝うって何？なめてるの？」

ルシファー「な、なら他の作れば……」

するとショコラは、ルシファーの態度に呆れたように散らばったチョコレートの欠片を集め始めた。

ショコラ「あほくさ。　もう何もしなくていいわよ。その代わり、もうルシファーにはおやつ作らないから。」

ルシファー「！」

ショコラは毎日、サキ達のためにおやつを作っていた。それがルシファーにとって、ここの唯一気に入っているところだ。それが無くなるなど考えられなかった。

ルシファー「ま、待ってくれ！それだけは！　すまない！許してくれ！何でもするから！」

ショコラ「……ん？今、何でもするって言ったよね？」

ルシファー「え……？」

ショコラは拾い集めたチョコレートの欠片と、砕けたチョコレートの像を見て、何かを思いついたようだ。

ショコラ「じゃ、〔ここのやり方〕で償ってもらいましょうか？」

ルシファー「は……？」

そして迎えたバレンタインデー当日、サキはギガマンティスやエルドラド達に簡単に作ったお菓子を配っていた。

サキ「はい。　いつもお世話になってるお礼ね。」

ギガマン「まぁ、機械にはスイーツは必要ないがありがたく受け取ろう。」

エルドラド「ありがとうございます。金の包み紙とは嬉しいです。」

するとサキの側にショコラがやってきた。

ショコラ「マスター！ハッピーバレンタイン！　ところで、マスターにプレゼントがあるんだけど少しいい？」

サキ「ん？今年は何かな？」

サキがショコラの後をついていくと、ある部屋に辿り着いた。そこにはテーブルにいくつもの果物やお菓子が串に刺さって置いてあり、中央には巨大な装置の中にルシファーが裸になって立っていた。

ルシファー「……！」

サキ「え？これ何？」

ショコラ「うん！ホントは別の作るつもりだったんだけど、ルシファーが壊しちゃったから責任とってくれるんだって！」

ルシファー「い、いや、それはお前が……！」

ショコラ「それじゃあマスター、心ゆくまで楽しんでね♪」

ショコラは機械のスイッチを押した。するとルシファーの頭上から大量のチョコレートが流れてきて、一気にルシファーの体を覆っていった。

ルシファー「んっ……　ま、待て！かけす……プハッ！」

サキ「もしかして、〔チョコレートファウンテン〕！？」

ショコラ「そう♪　ここの具材に好きなだけチョコを付けて食べるチョコレートフォンデュだよ♪」

ルシファー「ハー……ハー……　アッ……！」

チョコレートは口を開けるたび、大量に流れ込んできて口からの呼吸は出来なくなった。鼻から呼吸するしかなくなったが、息を吸う度にチョコレートの甘い香りが入り込んできた。時間が経たないうちに、ルシファーの体は隅から隅まで完全にチョコレートに染まった。

ルシファー（なんだこの屈辱は……！エナサーで消してやりたいが……！　けど……！もし壊したら止まってしまうし……いや、何を考えてるんだ……！）

ショコラ（大丈夫だよルシファー。　チョコの温度は36度でぬるま湯程度だから当たってて気持ちいいと思うんだー……♡）

サキ「いやーでもさ、ルシファーもようやくメッシーしてくれたんだね。　私は嬉しいよ♡」

ルシファー「ぱ、ぱにぷぉ……（な、何を……）　ごぷっ……プパッ……」

サキ「それじゃあ早速いただこうかなー……」

サキは果物を取り出すと、ルシファーの体に当てた。果物はよく冷えており、ルシファーの体を刺激した。

ルシファー「んっ……♡」

チョコレートに包まれた果物を口に運び、サキは満悦の笑みを浮かべた。

サキ「うん、美味しい！　やっぱりショコラのスイーツは最高だね！」

ショコラ「喜んでくれて嬉しいよマスター♪」

サキ「それじゃあ次は……コレかな？」

そういうとサキはバナナを取り、ルシファーの乳房の間に挟めた。そして上下に動かし、チョコレートを浸透させた。

ルシファー（ばっバカ！何を遊んで……！　くそ、もっとゆっくり浴びて……いや、何を言って……！）

サキ（あー……♡気持ちよさそうな顔してるなー……♡　ルシファー可愛い♡）

サキはバナナを頬張った後、台に少し登り、ルシファーの顔に自分の顔を近づけ、キスをした。チョコレートがサキの服や顔にかかったが、それでも構うことなくチョコレートがついたルシファーの舌を自分の舌に絡ませた。

ルシファー「あっ……♡んふっ……　んっ♡」

サキ「……ぷはっ、やっぱりここも美味しい♡　ところでさショコラ、嬉しいんだけど私１人じゃ食べきれないかな。」

ショコラ「うん、そう言うかと思って〔皆呼んどいた〕よ。　女子限定だけど♡」

ルシファー（は！？）

すると扉から次々とBOX中の女性が集まり、場はルシファーをチョコレートファウンテンとしたチョコレートフォンデュバイキングとなった。ルシファーの体に次々と食材が当てられ、ルシファーをさらに刺激した。

ルシファー（そ、そんなとこに触るな……！　それ以上やったら……あぁ♡）

そしてバイキングが終了し、ルシファーにかけられていたチョコレートが止まった。サキ達が帰り、ショコラが跡片付けを始めた。

ショコラ「いやー、成功してよかったね、ルシファー♪」

ルシファー「も、もう２度と私はやらないからな……」

ショコラ「えー？気持ちよさそうにしてたのに？　あとさ、口は開けといた方がいいと思うよ？〔まだ終わってない〕し♪」

ルシファー「は？何を言って……」

その時だった。ルシファーは突然身動きが取れなくなった。見ると手足の先端からどんどんチョコレートが固まってきて、ルシファーの動きを封じていた。

ルシファー「お、おい！何だこれは……！」

ショコラ「気づかなかっただろうけど、ちょっと部屋の温度下げたんだよねー♪　だからチョコがどんどん固まっちゃうワケ♪　明日のおやつね。」

ルシファー「待て、今すぐやめ……　ん、んーー……！」

ショコラ「あーあ、だから口は開けといた方がいいって言ったのに。」

チョコレートは完全に固まり、ルシファーはチョコレートに包まれた。辛うじて瞬きや鼻からの呼吸は出来るが、それ以外はまったく動かせなかった。
そして次の日のおやつには、ルシファーの体についたチョコレートを砕いて食べるという珍しいおやつが出たのであった。

END

その後

サキ「……太った。」

ギガマン「だろうな。」