*星空文庫

粛清パブリックタイムライン

西園寺リルケゴール 作

粛清パブリックタイムライン

  



   






   






愚民の呟きには誰も耳を傾けない。

君が一瞬遭遇した真実はパブリックタイムラインという激流に流されて一瞬で消える。

まるでトイレで水を流すみたいに。

だからその呟きは独り言の連鎖と化して、君の逡巡は孤立の地下水道へと陥る。



   

リーダーたちは愚民を啓蒙する。

彼らはいかに考える隙間も与えないパブリックタイムラインという危険な一瞬に人々を誘い込むか腐心する。

だから短い文字数とフレーズの連鎖と引用はリーダーたちには有益なのだ。


   
愚民の呟きは次の呟きの前には既に抹殺されている。

世界中から毎秒数百、数千と誰も追いかけられない速さで。


リーダーの発するコピーの洪水へと人々を押し流す。

数時間前にはそいつがどんな矛盾を犯したかを誰も確認できない速さで。


   
ある者はその現状をこう喩える。


「善意を増幅し悪意を流し去る」


そいつの言い分は正しい。恐らくその通りだろう。



   
   

このようにして効率的にプロパガンダは伝播され、無名と匿名は排除される。



   

善悪は情報の精度ではなく強度が決定する。



   



   



   

やがて異様な正義を振りかざす反ユートピアが完成する。


  



   






   

『粛清パブリックタイムライン』

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『粛清パブリックタイムライン』 西園寺リルケゴール 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-02-12
Copyrighted

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