*星空文庫

そら 作



お互い傷つけあった日のこと
くだらないことで笑って、抱き合った日のこと
初めてひとつになれた日のこと。



今、あなたの隣にいる人は私ではなくて
でも、私の隣にいる人も、違う人で。



ずっと一緒にいようねなんて誓った永遠は安かった。




「久しぶり。」


偶然、
思い出されるあの日のこと。
忘れるには足りなかった時間、思い出。



「元気そう、だね。」



今更、なにを。


見せつけるように、彼の腕にぎゅっとしがみついた。




私は今、幸せで。
あなたも、同じで。
あの頃の君との幸せな思い出は
幸せな思い出でしかなくて。
それこそ、スティックシュガーのようなもので。



幸せな私を、
あなたの隣じゃなくても
幸せになれてしまう私を見て
傷ついて欲しかった。
傷つけたいと思ってしまった。



「またね。」


手を振る、くることのない「また」を投げて。



あなたに対する、
何年たっても変わらない
この感情の終着点は、いつも。

『私』

『私』 そら 作

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-02-11
Copyrighted

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