*星空文庫

人類学小事典

高木紀久 作

人類学小事典

ホモロジー(Homology)::人類学

イクチオステガ::人類の祖先とされる古生物

アンドロギュヌス::原始人間

ヘルマプロディトス::両性具有(者)

ホモサピエンス(ホモサピエンスサピエンス)::人類ヒト科の動物

ミトコンドリア::細胞内器官

人間::霊長類の一種

ミトコンドリア(単=Mitochondrion複=Mitochondria):人体の細胞内小器官。マトリックス構造を持ち、独自のDNA、RNA、ゲノム情報を有する細胞内器官。人体細胞内に、300個~1000個程度存在するとされる。皮膚細胞、毛細血管などの通常細胞内に300~400個存在する。副腎皮質、大脳皮質、筋肉細胞などの主要細胞内におよそ1000個ほど存在する。ミトコンドリアの主な活動内容は、酸素呼吸、エネルギー生成、エネルギー変換などである。また、Pアシッド形成などにも関与していると考えられている。ミトコンドリアは、もともとウィルスなどと同様の、人体外の外界で生活する独立の微細動物であった。それゆえに独自のDNA、RNA、ゲノム情報を有している。ミトコンドリアが人体に寄生しているうちに細胞内に組み込まれ、いつの間にか人間と同化してしまったのは有名な話である。ミトコンドリアは、人体内で、寄生体→共生体→(細胞内)器官という遷移を行っているのである。もともと人間に対しての寄生生物であったミトコンドリアは、現在では人体内においてなくてはならない(細胞内小)器官となっているのである。もとは寄生体でありながら、いまでは人間にとってなくてはならない存在。これがミトコンドリアの正体である。

人間(単=Andro複=Andros):多細胞動物。炭素系アミノ酸系タンパク質構造体。アデノシン三リン酸をその化学的根拠とする生物体。約60兆個の細胞からなる生命体。ひとつひとつの細胞同士が結集してひとつのネットワーク(細胞ネットワーク)を形成し、さらにそうしたネットワーク(細胞ネットワーク)が複数集まってより大きなネットワークを形成する、という複層的なネットワーク形成を行っている。ひとつひとつの細胞は、副腎細胞、筋肉細胞、そして脳神経細胞などで種々の細胞ごとにその形質は異なる。手足、腹心、耳目などの身体器官は、特に〈脳〉によって直轄統治される。人間とは、一箇の独立した多細胞生物というよりも複数の生物(個々の細胞)からなる、一種の群体生物である。国家にたとえるなら、独立した一枚板の帝国国家というより、諸王朝の合従連合による連合王国国家である。約60兆個の細胞からなるネットワーク生命系。これが人間の正体である。

『人類学小事典』

『人類学小事典』 高木紀久 作

ミトコンドリアとホモサピエンスに関する省察。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-02-11
Copyrighted

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