#アトリエ展覧会

「太陽」

冬の曇りの日は
どれだけ太陽の存在が大きいかわかる

あ、こんな人いたなぁ・・・

ある人を思い出した

あの人は曇りの日だって
私のことを照らしてくれてたな~って

太陽みたいな人

それがどういう人なのか
少しわかった気がした

「鏡」

鏡を見るときは少し勇気がいる
姿を変えて突然歩み寄ってくることがあるから

それは唯一、内面が映る鏡で
その瞬間にしか見つめることのできない鏡

まわりを見渡して

“そこに映るあなたは、どんなあなたですか?”

「虹」

小さい頃、よく家の庭で
手を力いっぱい高く上げて
ホースから水を出して
「にじ!」って遊んだ

太陽の光で、水が虹色に輝く
空にかかる虹とは違うけど
それは私の中で立派な虹だった

小さな小さな虹
それで十分だった

「椅子」

まあまあまあ
座っていきなよ

そんなくらい顔しないでさ

まあまあまあ
お茶でも飲みなよ

あ、言いたいことは
飲み込まないでね

まあまあまあ
ゆっくりしようよ

急いだって疲れるだけだよ

「扉」

ここを開ければ
目的地へ行けると思った

期待を膨らませて
思い切って扉を開けたけど
1歩を踏み出す勇気が出ない

想像以上に広い世界
汚くて綺麗で
冷たくて温かい

まだ一歩踏み出すには
少し勇気がいる

忘れたくないものは
メモしてここに置いておこう
鍵はしめないでおこう
いつでもここにある
大切なものを取りに帰れる
そんな場所にしよう

「交」

未来の私と過去の私が
過去の私と今の私が
未来の私と今の私が

交わる、交わってく

何かを作るように 何かを描くように

誰かから聞いた言葉が 今日の出来事と交わる

今日の出来事が 過去の私と交わる

知らない間に交差して
いつか眠りにつくときの夢になる

#アトリエ展覧会

#アトリエ展覧会

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-01-22

Copyrighted
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  1. 「太陽」
  2. 「鏡」
  3. 「虹」
  4. 「椅子」
  5. 「扉」
  6. 「交」