*星空文庫

星、添

しとと えと 作


私が息をするたびに
この星は生きることを諦める。

私は生きて
この星は死んでいく。

今日もまた、
遠くで大きな音がする。

星が崩れる"音"
星が壊れる"音"

氷が溶けて
シロクマは海に沈んだ。

山が死んで
森は息場(いきば)を失った。

聞こうとしない。
見ようとしない。

自分が生き残る事に精一杯で
この星の事情に目を瞑り、
この星の嘆きに耳を塞ぐ。

本当に大切なものは
目に見えない事が多いと言う。

誰も見ようとしないんだから
はじめから見えるわけがないんだ。


「自分の傷には敏感なくせに」


私が息をするたびに
この星は生きることを諦める。

私は生きて
この星は死んでいく。

『星、添』

『星、添』 しとと えと 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-01-14
Copyrighted

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