*星空文庫

étoile

しとと えと 作


()れた太陽を一口(かじ)ると
程よい酸味と甘さが口の中に広がった

太陽が50億年後に死んでしまう事実を
受け入れる事が出来ない僕は、
20歳と少しの本当にちっぽけな存在

太陽も、
地球も、
宇宙も、

僕と同じように歳をとり、
僕と同じように死んでいく

太陽、46億歳
地球、46億歳
宇宙、138億歳

長い時間をかけ生きる星は、
長い時間をかけ死んでいく

生まれる瞬間、死んでゆく瞬間、
出逢いと別れを幾つ繰り返したのだろう

星から見た僕は
生まれたての赤ん坊のまま、
一生を終える様に見えるのかもしれない

例え一瞬だったとしても
僕は、僕の(せい)が、
意味のあるものだと信じたい

熟れた太陽を一口齧ると
程よい酸味と甘さが口の中に広がった

「僕はもっと貴方の事を好きになりたい」

『étoile』

僕が齧った太陽はスモモです。
栄養価が高いみたいなので是非。

『étoile』 しとと えと 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2018-01-14
Copyrighted

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