最上

こんなに出来損ないになったのは

自分のせいだ

わたしが努力を怠ったから こうなったんだ

特別なことなんてなにもできない

ただ一つ 人とおなじくらいできることと言えば

息をして 朝起きるくらいだ

それもこれも 全部わたしのせいなのに 他人が憎たらしくって仕方がない

消えたいと願った日には 案外平凡に終わるものだ

だけど 生きたいと願った日に限って 生きたまま死ぬようなことがある

笑っているけど泣いているような そんな感じ

さようならが怖すぎて 大切なものも見えていなくて

自分を好きでいてくれる人ですら 蹴ってしまうようなことをする

好きでもない人に 興味もない人に 貼り付けた笑顔を見せて

そのうらの 本当の顔は 涙も流せなくなるほど悲しんでいること

楽しいことを 楽しいと思えなくなった

全てのことが 面倒臭くなった

大好きだったあの人も いつの間にか こんなわたしを見て

どこかへ行ってしまった


大切なことはいつも見えない

わたしに 本当に好きなことがあれば

それ以外のことをどうでもよく感じることができたのに

そうすれば きっと こんなことがあっても

消えてしまいたい なんて そんな無為なことを 思うはずも


なかったのに

最上

最上

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-01-11

Copyrighted
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