いきて

なかなかぼくも 人間らしいことを言うようになったと思う

どうだっていいような奇麗ごとばかり

そんなこと言っていたいのなら それでいいのなら

ずっと言って笑ってろよ


ぼくは気づいたんだ さよならばかりが好きすぎて

本当の別れを知らない 一番辛いことを知らない

愚かな人間たちよ

どうせ ぼくは死んでも誰にも気づかれないし

誰にも迷惑なんてかけないし

ぼくの死を喜ぶものもいないんだ

それくらいぼくの存在はどうでもよくて

今すぐ死んでもおかしくなくて

それでも生きて 息をして

そんな矛盾を抱えて生きる


ぼくたちは矛盾だらけだ


だけど やっぱりぼく以外の人には生きててほしい

どうやってしても 生き抜いてほしい

本当に心の底から ぼく以外の人を愛してる

どんなにひどい人間でも ぼくほどひどい人はいない

本気でそう思ってるから

もうぼくは大丈夫じゃない


ほんとにほんとに生きてて欲しくて

死にたくなって踏ん張ってほしい

君たちのためならぼくは ぼくの全て捨ててもいいんだ


ぼくはきっと絶対に偽善者だ

自分に自信がないのにかかわらず

他人に生きてほしいだなんて馬鹿げたことを言うのだ

あああああああああああああああああああああああああああああああああああ



死にたいな

いきて

いきて

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-01-09

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