静水

青臭くって


もうボロボロになってしまった 僕の勇気を抱えて


今から君に会いに行くよ


君は覚えているかな


僕たちは あの小さくて綺麗な街で


出会ったんだ


水が流れていたんだ


すごく綺麗でさ 見とれていたら


君が水について語り出したんだ


なんて不思議なんだろうってね


でもそれ以上に 君が美しくって驚いたよ


君は人を知らないから 妄想で作り上げてたみたいだね


だから 僕の汚い人間らしいところを見るたんびに


幻滅していたね


それでも よく僕を嫌わずに 一緒にここまで来てくれたよ


その点でいうと 僕も君と同じくらい優秀かもしれない


僕は 君をずっと探していたように思うんだ


君のことを ずっとずっと そうすごく前から


知っていたように思うんだ


なぜか懐かしい匂いがした


君に教えてもらうよりも前から 


この小さくて綺麗な街のことを知っていたんだと思うんだよ


でも そんな詳しいことは 大切なことは


なに一つ思い出せないんだけどね


人間ってそういうものだよね きっと


流れてるんだよ 僕たちもきっと


君の大好きな あの街の水みたいに


時代のものにはならない いや なれない


僕たちだからこそ


こういう時間は必要なんだよ

静水

静水

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-01-06

Copyrighted
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