Fate/defective パラノイド【断章:第一節】
この小説はyona氏(https://slib.net/a/7649/)の二次創作小説の三次創作です。
微かな衝撃の認識に因って「それ」は稼動を開始した。
狭い。狭い。匣の中で。
決して機械ではない。だが生物でもない。
唯一つの目的を無意識で知覚して本能により動き始めただけの「何か」である。
「それ」は更に遠くに広がる■■に手を伸ばせたはずであった。
「それ」は更に強大な深淵であったはずであった。
しかしながら「それ」は過去を持たぬモノに成り果てていた。今やかつての姿を取り戻す術はない。
何故ならば閉じ込めた者がいる。それは強固な者であり、強固なモノだ。意志だ。固い意志を持って「それ」は外界との接触を避けさせられた。
ならば眠り続けるより他はなかった。
微かに感じる熱を身の内に溜め込んで。
Fate/defective パラノイド【断章:第一節】