百億円ー!? もっと欲しいものがある! -14- ひとかけらの幸

大丈夫かな?と思いつつ恋が実った試しは有史以来なかったはずだ。

これをひと口でいやー、環境と呼ぶ。

愛とも、しあわせとも、呼ぶ。

え?? 愛も環境かあ?

・・・・・・

みなの和やかな雰囲気が格別にいい、 そのなか、愛ニタニタするやつ・・・・

髪は、ボサボサ。
まるで遙か高い塔の天辺から揺れてるぅ! 程に棚引きぶら下る髪。藤の樹みたいー。

背丈高く肩幅広い。まさに労働力体型。
その表情は、しびれを切らしたかのように、やにわにアンディの方を見降ろして、そう云ったのだ。

「あら、ありがとうございます。ご親切様だわあ~!」
母は精一杯の愛嬌をつくろって返した。

以心伝心*、流石親子、母はとっくにアンディの計略を見透かしているのか。
*いしんでんしん、言葉によらずに互いの心から心に伝えること、の意

「・・・」押し黙ったままのアンディ。

「サクランボ好きじゃないのかい?」ボサボサ店主が、再び、けげん気にそうに尋ねた。

「嫌いじゃない。好き。・・・」とアンディはポツンと応えた。しかし口調はハッキリの応え口。そして、また黙ったまま視線をサクランボに向け、一向に手を出そうとはしなかった。

またしてもしびれを切らしたかのように、「ほれえぇっ!ぼくの帽子出してみんそ!」
ボサボサ髪を、体付きまで、垂れ流したままの格好となり、店主は鷲の手のようなガっツリとした大きな手を広げ、おおざるのようになったその手からいっぱいサクランボが、わんさかとアンディの帽子の中に転がり込んで来た。

映画シーンなら、ここでアンディの表情がアップになるところだ。さぞかしニンマリとしたことだろう。誰が?アンディともう一人母も。

ここに居た一同皆がニコニコ顔となった。取り囲んでいた客たちまでも。

みなの和やかな雰囲気が格別にいい、
そのなか、格別な笑みを浮かべたのは無論アンディ&母の連合軍だった。
和やかな市場周辺に和やかな笑顔に和やかな人の輪が出来たこと、連鎖反応ってやつですね。店主がこれを気にしないわけがない、ますます調子に乗るはず、自腹切っての大判振る舞いに。

和やさは、発展の元だ。不安があってなんの進展がみられる?この人大丈夫かな?と思いつつ恋が実った試しは有史以来なかったはずだ。

これをひと口でいやー、環境と呼ぶ。
環境はヒト・生き物しか作り出せない特権技だ。いや、花も草木も環境に順応して和やかな表情を見せるときがあるからそうでもない。
この辺を分かってなかった短気世界一と呼ばれた信長様はさぞかしご苦労をなさったことだと思うよ。短気ほど、破壊マシンはない。末路は自身をも破壊してしまう。

和やか、すなわち、佳いとする環境なのだが、そのためには幾つか条件がある。
その最大要件は、地形風土か?建物か?家具調度品インテリア具類か?住居条件か?気候か?まだある、が・・・、一番は人間関係だろう。

大災害は別にして物で人が影響を受けることは少ない、が、しかし人によって影響を受け、更に生きる喜びをゲッチューした人は多いはず、真逆は大変!自殺に追い込まれた人も。

オモロ可笑しく和気あいあいな対人関係がなかったら、たとえ超有名人だったとしても或いは百億円のダイヤモンドを身につけ二億円のスパーカーに乗りン十億円の邸宅に召使百人と共に暮らしていたとしても、それらが佳い環境とは云い難い。あ、そ、ちがう?どう思うとあなたの勝手だけど。

愛に勝るものなし。ン十億円あれば尚よっし。無くてもチーズケーキ食べれるカネがあれば、これまた、よっしよっし。

うちもそう思う!
だろ!カネで幸せは買えない、一部の大切は分かるけど。愛あれば幸せは買える、愛する人から。
今を、明日を、の自分幸せ街道行きを見通すとそうなる。

百億円ー!? もっと欲しいものがある! -14- ひとかけらの幸

百億円ー!? もっと欲しいものがある! -14- ひとかけらの幸

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-12

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