見上げれば

誰かに寄り添いたくな季節。いつの間にか舞いだした雪。

いつの間にか降り出した雪、寄り添い二人、この道を歩いて行こうと決めたんだ。

うまくいかないことばかりで嫌になることだらけの毎日。
思い描いた通りに行かないのが、人生。
そんなのは言われなくたって分かっている。
だけど、ふと空を見上げる。
胸が押しつぶされそうになったとしても、僕には予感があった。
今日よりももっと明日は、あなたを好きになっている。
いつの間にか舞いだした粉雪。
僕の隣であなたは白い息を手に吹きかけている。
判り切った理屈並べ、追いつけない心が折れそうになったとしても、不確かだけど僕には確信がある。
守り続けたいものがある。
絶対に譲れないプライド。
握った手から伝わってくる温度。
あなたが好きだ。
素直に思える。
この先、何があってもこの手を離したくない。
愛が溢れ、真っ白な道に足跡をつけて行く。
同じ気持ちで、どこまでもどこまでもあなたと歩いて行きたい。
心が温まって行く。
落ちては溶けて行く雪。
あなたがいるから、僕は強くなれる。
見詰める先、あなたが静かにきれいな涙を流す。
どんな宝石よりも美しいその一滴を、僕はずっと守って行こうと思った。

見上げれば

やるせなくても辞めたくなるような人生でも、守りたい気持ちがあれば、きっとそれが力になる。なんてものが書きたかったのさ。

見上げれば

上手くいかないことばかりの毎日。ホッとさせられるのはあなたの存在。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-12

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