冴えわったてる~、きみが -11- ひとかけらの幸

ひときわ冴え渡る。 辺りの、空気が、音が、光が、ただよい冴える。そうせているのは純真な想い、そこに

そのツワモノども! どこか魅かれるコトバだが。

どこにもいるよねー、見て、カッケエ、ツワモノが兵なら尚更、ツワモノ強者、これはだめね。

このツワモノ魂は、地域的気風か、遺伝子か、確かに受け継いできた。
「真の勇気とは、蛮勇ではなく、|知勇()だよ」
その少年の父が日頃から云い伝えてた言葉である。
(*勇気はただ単に勇んで立ち向かう気力に対し、物事の本質を正しく見通す眼力を備えて行動する意気ごみ。

彼の言葉は続いて。
「蛮勇は野蛮な行為だ、犯罪と表裏一体だ。どちらをとるかでそのヒトの価値は決まる」
うんぬんをアンディは父から何度も聞かされていました。

後日談になるが、実はこれは、母からの受け売りだったのです。
どちらかといえば血の気の多い父に対して諭す目的で云ったことを、父はまるで自分の言葉のとしてパクり、これをアンディに説いてみせている、と笑いながら母が話してくれたことを思い出す。

一旦、放たれたコトバは既に聞いた者の意思で発する特許物として走っていくもんなんだよ。
と、かつて人の言葉をパくった本人がまるで自分の言葉として話すから可笑しくてしょうがないアンディであった。

白は目立つ。純粋・浄化・無垢・清潔・未来・神聖、どれもとってもイメージがいい、冷たさと云う人がいるが、そうかもしれないが。

特に目立っていた。それは、少女の白地の服が清純なまぶしさを放ち、それゆえに、アンディの表情をまっさらと一変させた。イメージとはおそろしい。
まるで、けがれを知らぬ純白色となっていた。

その表情には白ではなく、真紅な彩りも混じっていた。
バラ色に、身も心も“一変”させた!普段の自分を“変”化させてしまうから“恋”となるんだ。

これで、変わらなければ鈍感なんだ、恋などする資格はない、変わってこその恋。

変わるから楽しさ発見へとつながっていく、万年同じなら飽きて無色のままだ。
自分をよく見せようと変わらなくちゃと!努力する。
努力するから成長も見えてくる、やはり恋は成長変化剤であったのだ。

優しさを装った押し売り成長剤は要らない。下心、ストカー・・・・。

強がり半分、本音半分で、必死に好きなくせに「別に・・・」と云う人がいると聞くが、さすがまだ純真な少年、この素直さが可愛い、たまらない。
このたまらなさが後々色あせてしまう大人は可哀想、恋と太陽は変わらないのだからずっと元の素のままでいたらいたらいいのに、きっと可愛いと云ってくれるはず・・・・・。

バカじゃねーの、と云われたら、バカというほど君の方こそもっとバカと云えばいい、云わない方が良いね。アホにあるのは短気虫だけ、聞く耳はないからね。

全身素直マッハなアンディ、ひときわ冴え渡る。
辺りの、空気が、音が、光が、ただよい冴える。そうせているのは純真な想い、そこにあるがゆえ。

冴えわったてる~、きみが -11- ひとかけらの幸

冴えわったてる~、きみが -11- ひとかけらの幸

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-11

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