シュークリーム

ある日

少年は甘い恋をしたいと願った

少女もまたそう願った

二人はやがて大人になり
初めてシュークリームを食べた

それはとても苦い大人の味がした

見た目に囚われていた二人は
嫌というほど苦い恋をした

たかがシュークリーム

されどシュークリーム

だれもが一度はたべたいと思う
シュークリーム

理想では
生クリームとカスタードクリーム
それを優しく包み込むフワフワの生地

現実では
生地はゴワゴワで
中は黒焦げアンコとおから

印象を塗り替えられた彼らは
シュークリームに嫉妬した

人生こんなものだ

二人は開き直った

彼らは理想とはかけ離れた
現実を改めて認識できた

お陰様

やがて彼らは現実を受け入れ
本当の幸せを手に入れた

その後彼らは
再びシュークリームを食べた

彼らが本物を食べたかは
定かではないが

とっても美味しい
シュークリームだったようだ

シュークリーム

シュークリーム

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-27

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