穴が空いた。
これは何の箱だったろうか
徽章と書いてある、謹製とも
なんの箱かは知りたいけど開けたくない
ただただネジの先みたいな物が箱から突き出ている。
自分が面倒だ
僕は明日、受験なんだ。
現実逃避をこのネジの先が突き出た小さな箱にぶつけてしまっている。
どうしようもない
1時間くらいたったぞ
おい箱どうしてくれるんだ。

裏を見てみる
”紙“と書いてあるリサイクルのマークだ。
その下に外箱と書いてる
ふう、どうでもいい。

なにやら今日は父が晩飯を作っているようだ。
明日僕が受験だから何か美味いものを作ってやろうと思っているんだ。

食べたいとか食べたくないとかじゃない....
受験が不安だとか不安でないとかでもない....
箱が気になる。
もうずっと見てる、どうする気だ。

「この箱は6面で構成されている」
そりゃそうだ声に出して言う事でもないし数える事でもない。

鼻と上唇の間に挟めてみる
....箱の匂いがする人工的な匂い。
箱が落ちる、
胸の上に。
上唇を突き出したまま見つめる。

服の盛り上がった部分の2か所が箱の二点を支えて くるりっと回る。

「おぉ、すげぇ。」
何がだ!言い終わった瞬間に思う!何がすごいんだ。

なにやら俺はおかしいんだ。
受験のプレッシャーがとうとう俺をおかしくさせた。

飯を食いに下に降りよう、腹が減った。
食べざかりなんだ。
何か食えば正気を取り戻すかもしれない、箱を忘れているかもしれない。
さぁ食いに行こう。

.............

..............アカンて、勉強せな。(飯食ってきた)
さぁ勉強するぞーーーーーー!

-受験終了-
あぁぁぁぁぁぁ!!!!!
穴空いた箱気になって なんも書かれへんかったーーーー!!!!!!!!!
なに思い出そうとしても あの箱しか出てこんかったーーーーーーーーーーーーー!!!!

  • 小説
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2017-11-23

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