生涯 隔てられた ここから

生涯 隔てられた ここから

 



   



   



   


  
  



   



幸福なことだったんだろうか

不幸せだったんだろうか

あれはなんだったのか

答えてくれない

まだその陽だまりに添いたい

僕は

なにを憶えて

忘れていくのか

どんどん深くなるあのひと

大切なことは

帰ってくれるのか

時間がいまも訪れるのに

二度と

もう二度と

来ない場所

もう一度

忘れるかもしれない

星が降る生から




もう一度

別の生を旅するだろうか

さまようだろうか

ここにある いま以外を

そこでまた

通りすがるだろうか

ほんの微かな衝突で

訪れるだけの時間で

そのとき

まだ憶えているだろうか

留めているだろうか

このときを




現実以上に

寂しくきれいな

現実だったものを見た

今朝も

憶えることより

忘れないかもしれずに




わからなかったことが

わからないままに

憶えていることが

忘れていくかもしれないままに

ありえたかもしれない未来

朝の光にもつれて

手のひらに持っていた過去

夕刻のたびに駆け去って

遺してくれた

やさしさの数片だけ

たずさえて

いまこの時間だけがある









戻ろう


          陽だまりに


 



   



   



   


  
  



   

生涯 隔てられた ここから

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

作者が所属するユニット、先端KANQ38は、11月18日に無事に初ライヴを終えることができました。
応援して下さり力を与えてくださった皆さんに本当に感謝しています。
ありがとうございました。

先端KANQ38 ツイッター https://twitter.com/kanq3
先端KANQ38 公式サイト https://neuedada.wixsite.com/kanq38

生涯 隔てられた ここから

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-23

Copyrighted
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