始まりの時

始まりの時
私は一人だった。そうして孤独を持て余していた
世界でたった私だけが
この属目(しょくもく)の風景を見ていた

私は見た、路上で崩れ落ち、倒れている
神の亡骸を
私は見た
太陽が一度に千個の光と共に輝くのを
私は見た、世界が終わるのを
私は見た、地上が大地が
この世界に最初の時を刻むのを
私は見た、この星のすべてを
私は見た、宇宙の欠片を
私は見た、この大地の終わる時を
そうして・・・私は美しいものを見た
この宇宙の始まりの時を
そうして私は一人、幸福だった
けれど、あまりに永い時間私は一人だった

髑髏が笑っている
私を見て笑っている
いずれは私も朽ち果てて
この地上から去っていくだろう

幸運の鳥は夜明けにくる
だからひたすら待っていよう

この世界の始まる時を・・・・

始まりの時

始まりの時

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-14

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