青年と森

yumieisuke 作

青年は傘をひとまわしした。
とじたままてくびをひねり、まわりをみずに、すこし、伸びた木の枝葉にあたったみだいです。
青年は変な声をだします。

「コンッ」

ぶつかった音か、木こりは思いました。

リスが木からおりてきて、青年に話かけます。
「あぶないよ。
木の実をあげよう。」
落ち葉がおちてきて、リスがそこに木の実をおくと、青年は木から距離をおいて、
もう一度のびをしてから、手首にすこし勢いをつけます、
かさは風を切る音をたてます。

勢いをつけるまえに、青年はかかとで、地べたの意志をけりつけて
コンっと音がなったので
木こりはさっきの変な音はそのせいだなと思いました。

今度は青年は、畳んだ傘を
にどまわしましたた。

次は夫婦のカエルがガサガサやってきて、何もいわずものめずらしそうにポップコーンをたべています。
「ただものじゃないね奥さん」

「陽気な昼さがりだね。旦那さん」

ここでようやく、木こりは、動物たちの声が自分に聞こえている事に違和感を感じ始めました。

さんど回すと

いつのまにか、木こりの目の前の日かげになった木の根のおところにこしかけて、
老いたヤマネコがいった。
「この辺は熊がでるからねえ。木こりさんもきをつけてねえ」
するどいめつきのはしで、木こりにすこし目をやるとヤマネコさんは
すぐに青年に目を戻す。

「コンコン」

青年は、地べたの石に傘の先端を二回うちつけると、の中から、
花束がでてきました。
青年はみっつ花束を取り出すと、傘は目の前で消えてしまいました。

木こりは、青年が、どこか別の国の、綺麗な縞柄のはいった青年の服装をみて、
何も知識を持たず、ただオシャレだと思いました。

“さあ、大丈夫です、見ている人はあそこに木こりだけ”
そういって、花束をみっつ渡すと、
右足のかかとで二回たたきつけると最後は自分自身が姿をけしました。

そして、おしゃれな青年の、
彼の香水の残り香と声だけが宙に響いたまま。残りました。

「手品をごらんいただき、“皆さんありがとう”」

そういうと、宙に、一瞬だけ化け狐のしっぽがその瞬間みえたような気がしました。

青年と森

青年と森

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2017-11-13

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