希死念慮

例えばそれは夜の端
例えばそれは昼の隙間

隠れてないで
出ておいで
隠れてないと
見つからず

ふとした瞬間の遣る瀬無さ
意識しなくとも蘇る記憶
フラッシュバックの閃光が
烈しく燃えて
痛いほど灼いて

例えばそれはあなたの掌
例えばそれは誰かの言葉

ああ、こんなにもまだ
憶えているのか

ああ、こんなにもまだ
遺っているのか

握り締めた脳髄の尻尾
引き千切ってくれるのを待つ

希死念慮

希死念慮

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-08

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