*星空文庫

さよなら、わたし

KASUMU 作

「…さよなら、わたし」

なにをそんなに急いでいるのだろう
と、学生のわたしは思っていた。

電車のホームの階段を駆け下りる人々

社会に埋没しないようにだよ
と、社会人2年目の私は答える。

社会は歯車だ、と誰かが言っていた。
私も、いまはそうだと思う。

誰か一人が止まっても、
周りの歯車が止まることはなくて

気づけば私の凹凸は磨耗されて
ただの円になりはてて
誰からの記憶からも消えうせるのだろう

そうならないように
そうさせないように
私はいまを歩いている

『さよなら、わたし』

『さよなら、わたし』 KASUMU 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2017-10-12
Copyrighted

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