Dendrite

あるぱちかぶとさんの詩が好きで、書きました。
あるぱちかぶとさんの曲を聴きながら読んでほしいです。


私は、人を好きになってしまいました。

今まで、見えないものばっかりに思いを馳せていたというのに。

今ではあの人のことばっかり。

私は、女の子、そう分類されるいきもの。

だけど困りました。

私には顔がありません。

あなたに顔向けできません。

重ねる唇もなければ見つめ合う瞳もない。

私はただただ、空っぽになります。

あの人のことを思い浮かべて、何にもできないぶきっちょな手で、手紙を書きます。

まるで口があるかのように、林檎の木になった真っ赤な林檎の味を、まるで瞳があるかのように夜空を駆けてく流星の煌めきを。

せつない胸を押し込めて、一心に手を動かすのです。

あら、そういえば胸もなかったわ。

だったらこの胸のときめきはどこから来るのでしょう。

はたまた、あなた、などという存在が何処にいるというのでしょう。

嗚呼、気が付いてしまいました。

私はまた、見えないものに思いを馳せていたのですね。

私は、それでも一心に、あなたという存在を探すのですね。

決して諦めてはいけないというのですね。
えぇ、全てわかりました。

私は、この世界から未来と希望と光を引いて残った物。

私はそう"残酷さ"。

生きてはいけない、死んではいけない。

全て、わかっているのですよ。

Dendrite

また、こういう形式の物も更新したいです。

Dendrite

ざっくり言うとポエムです。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-10-10

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