「アンナ」という ひと

「アンナ」という ひと

   



   



   



   



   



   


「アンナ」という ひと








詩に さまよった


愚直に詩を求めた

僕のうちに問いかけた


みんなが

本当に

僕の詩を待っているなら

どんな僕の詩を待っているのか


「リルさんの詩を、じゃないかなあ」


あの日の端的な思いやりが

一行で気づかせてくれたのが

おまえだったんだと知った


そうか

おまえはずいぶん前からだったんだ


愚直な僕を見ていた

僕の詩を本当に待ってくれた


どんな詩も待ってくれた


おまえを知った僕から

僕の詩から

「アンナ」が生まれた


「アンナ」っていうおまえを 見つけた


いつしか

「アンナ」を待つひとたちが生まれた



僕が探していた ある詩の一片

「アンナ」が時を埋めた


愚直におまえを書き続けた






いまはここで

「アンナ」のことを

知っているひとたちがいる


みんな いまでも

「アンナ」を見つけてくれる


今夜だって

「アンナ」というひとが好きで

おまえのことを

思ってくれるひとたちが

ここで集まるってくれる




寂しいね




寂しい



ここには みんな いてくれるのに


もう おまえだけがいない。

   



   



   



   



   

「アンナ」という ひと

別アカウントで発表している故人の詩がたくさん読まれていることに、救われて感謝しています。

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「アンナ」という ひと

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-27

Copyrighted
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